イネヨトウ、フェロモン防除成功/農家に試験結果報告
宮古地区さとうきび技術員会(東江賢次会長)は19日、福山と比嘉地区で実施したキビの害虫メイチュウ類(イネヨトウ、シンクイハマキ)のフェロモン防除試験は成功したと、農家に報告した。
フェロモンは、雄を引きつけて交尾をかく乱する物質。試験はフェロモンを染み込ませたチューブをキビ畑の周辺に設置して、周辺にフェロモンを充満させる方法で行った。
かく乱がうまくいっているかを確認するイネヨトウのトラップ調査では、現在まで成虫は捕獲されていない。対象区で1日に頭以上も確認されたのと比べ、かく乱効果が明確になった。シンクイハマキも同様な結果だった。
被害率(芯枯れ茎率)は福山は1%程度と低い。一方比嘉では、フェロモンによるかく乱効果が明確になったにもかかわらず、5%と高い月もあった。
県農業研究センター宮古島支所は、比嘉について「北風のためフェロモンが行き渡らなかった試験区北側のススキ(発生源)の原野で交尾した雌が、キビ畑に飛び込んで卵を産み付けた」と推測している。
報告会では、普段の防除では寄主植物になるイネ科雑草の除去徹底が有効になると強調した。
質疑応答で、農家が防除効果をより有効にするために、全島防除の実施を求めたの対し、技術員会は市の対応次第で可能になるとの見方を示した。
メイチュウ類は、キビの茎を食い荒らす害虫で被害は全県的な広がりを見せている。