キビ増産へ誘殺灯点灯式/アオドウガネ
防除効果で株出し増進/市907基、多良間村82基を設置
サトウキビに食害を与える土壌害虫アオドウガネの防除に向け、さとうきび土壌害虫防除推進協議会(会長・前田幹男宮古農林水産振興センター所長)は24日、宮古合同庁舎前でアオドウガネ誘殺灯点灯式を実施した。前田会長ら関係機関・団体の代表らが点灯を行い、土壌害虫防除によるサトウキビ増産に期待を込めた。県は3月、これまで所有していた可動式誘殺灯を市に907基、多良間村に82基の計989基を無償譲渡した。
過去6年(2007~12年)の誘殺灯(可動式・固定式)によるアオドウガネ総捕獲数は08年の851万9680匹をピークに年々減少し、昨年はピーク時と比べ555万7070匹激減した。
式で、前田会長は「2012~13年期の宮古圏域のサトウキビ生産量は、昨年の20万㌧に比べ1・6倍の32万5500㌧の豊作となった。キビの安定生産に対する課題の一つとして春植え・株出しの推進が挙げられる。立ち枯れの要因となり株出しの普及を妨げるアオドウガネを駆除する誘殺灯は、キビの増産に重要な役割を果たしている」と述べた。
その上で「昨年度の誘殺灯によるアオドウガネの誘殺実績は約296万匹で、08年度と比べると約3分の1である。これと連動して、収穫面積に占める株出しは数年前は3%だったが、前期は11%、今期は19%まで伸びており、改めて誘殺灯などの害虫防除の効果が認識されたものである」と誘殺灯の効果を強調した。
生産農家を代表して城辺地区さとうきび生産組合の照屋秀雄組合長は「誘殺灯はキビに関わる者にとって、大切な財産となっている。今後とも誘殺灯を守り、キビの増産に向けて努力していくことを表明する」と決意を新たにした。
この後、前田会長、照屋組合長、JAおきなわ宮古地区本部の岡村幸男本部長らが誘殺灯の点灯を行った。