農水大臣賞に勝連さん(上野)/県きび競作会
多量生産1位に洲鎌さん(城辺)/古謝、照屋さんは特別表彰
【那覇支社】第37回県さとうきび競作会表彰式(主催・県糖業振興会)が25日、那覇市の沖縄産業支援センターで催され、2012/13年期サトウキビ生産で優秀な成績を収めた農家などを表彰した。今期、宮古は上位の成績を収め、農家の部県第1位(農林水産大臣賞)に勝連栄一さん(78)=上野=が選ばれた。また、多量生産の部(農家)では洲鎌正弘さん(61)=城辺=が55万3219㌔を生産し第1位(農畜産業振興機構理事長賞)を獲得した。特別表彰では地域のサトウキビ生産振興に多大な貢献があったとして、古謝現光さん(83)=平良=と照屋秀雄さん(75)=城辺=の2人が表彰された。
今期の競作会で県1位となった勝連さんは10㌃当たり収量11・760㌧、糖度15・2度、甘蔗糖重量(10㌃当たり)2・862㌧の成績を収めた。また、多量生産1位の洲鎌さんは総生産量553・219㌧、甘蔗糖度14・61度の成績だった。
受賞の喜びを勝連さんは「天にも昇るほどうれしい。植物の生育は土質によってそれぞれの出来栄えが違うが、これまでの経験が生かされて県1位を射止めることができた。これからも地域のリーダーとして頑張っていきたい」と述べた。
多量生産で1位を獲得した洲鎌さんは「今期は500㌧以上の生産を目標にしていた。周囲の皆さんからの土地の提供もあり実現できた。高齢化が進む時代背景の農家だが、体力が続く限りキビ生産にまい進していきたい」と抱負を述べた。
特別表彰を受けた古謝さんは沖縄製糖(福山地区)の原料員を年務めながら、緑肥による土づくりを行い、安定多収、早期高糖、優良品種の積極導入などで地域リーダーとして活躍したことなどが認められた。
また、照屋さんはサトウキビ栽培歴が60年におよび、過去の収穫も平均して140㌧前後を維持。城辺さとうきび生産組合長として地域をけん引し、増産と生産振興に寄与したことが評価された。
式辞で県糖業振興会の久田裕理事長は「農家の皆さんの努力により年ごとに収量、品質ともに向上している。宮古地域を除き、県内サトウキビは台風、病害虫発生の影響などで厳しい環境にあったが、増産基金を活用するなどし皆さんの生産意欲向上に努めたい」と述べ、受賞者をたたえた。
受賞式に先立ち「さとうきびの日」関連行事として昨年の競作会で県1位となり、サトウキビ農家では初の日本農業賞大賞を受賞した平良玄序さん=伊良部=が「私のさとうきび栽培」と題して記念講演を行った。