市職員が公金横領の疑い
補助金を私的流用 市が内部調査実施
宮古島市の50歳代の男性市職員が公金を横領した疑いがあるとして、同市が内部調査を行っていることが26日までに明らかになった。今年3月31日まで伊良部農林水産室に在籍していた男性が国、県、市からの補助金の一部を私的に流用したと見られている。市の調査に対し男性は流用を認めている。横領の額や理由などについては引き続き、調査が進められている。市では今後、市職員懲戒分限審査委員会を開催し、事実の確認と処分内容の決定を行う考え。
男性が横領したとされる公金は、伊良部地域農地・水・環境保全管理協定運営委員会の2012年度事業費で、国、県、市の補助金により農地や排水路の整備などを行うもの。事業費は630万円で、そのうちの一部を横領したものと見られている。男性は、市の補助を受けている事業として同事業を確認する立場にあった。
その後、担当する農林水産部で、補助事業の実績報告を確認していく中で、つじつまの合わない部分が見つかり流用が発覚。男性を呼び、総務部立ち会いの下、事実関係をただした結果、私的流用を認めた。
現在、農林水産部ではさらなる調査を行っているほか、4月1日から男性が所属する教育委員会では26日午前、会議を開き、男性の処分内容を審査する職員懲戒分限審査委員会の開催を下地敏彦市長に依頼する方針を決めた。
市では11年にも、市民から徴収した国民健康保険税を横領した業務上横領の疑いで市職員が逮捕されている。長濱政治副市長は、「本来の公務員としての倫理にもとる情けない話。仕事に対する意欲や緊張感を持って取り組もうという姿勢に欠けている」とした上で、「実態を明らかにし、処分を行いたい」との考えを示した。
副市長が委員長を務める懲戒分限審査委員会の開催時期については「できるだけ早く行いたい」としながらも、実際の開催はゴールデンウイーク明け以降になるとの見解を示した。