宮古観光4割がリピーター/名所や自然体験目的多い
観光協が満足度調査報告
宮古島市に観光に訪れる人は「初めて」が約6割で4割はリピーター、滞在期間は2泊3日と3泊以上が約9割を占め、文化的名所や自然の豊かさを体験する目的で訪れる人が多いことが26日に行われた観光客満足度(CS)・経済効果調査の報告会で分かった。2012年度の観光消費額は約189億円となり、8年前の前回調査(約202億円)に比べ、13億円減少した。入域客数は増えたものの、一人当たりの消費額が減少したため全体の消費額が落ち込んだ。
同調査は、宮古島観光協会(豊見山健児会長)が市から委託を受け、昨年6月~今年3月まで観光客2512人にアンケートを実施。日本交通公社観光調査部で分析を行った。
調査報告は市中央公民館で行われ、行政や観光関連企業などが出席。同調査部の山田雄一主席研究員がアンケート結果基づき分析結果を報告した。
それによると、来訪回数は「初めて」が最も多く61%。次いで「2回目」が16%だった。「10回以上」も8%に達し、これらを合わせたリピーターは39%だった。
04年度の前回調査とほぼ変わらなかったことから、山田氏は国内全体の観光産業が落ち込む中、継続的に新規の観光客を開拓できているのは「驚異的な成果」だとし「イベント開催や広報活動などの各種取り組みが実を結んでいる」と話した。
来訪の目的は「自然景観を見る」「自然の豊かさを体験」「おいしいものを食べる」「スポーツ、アウトドア活動を楽しむ」が多かった。
来訪にあたっての情報源としては「家族や友人、知人からの紹介・奨励」いわゆる「口コミ」での高評価が多数を占めた。
山田氏は「旅行雑誌やガイドブックの記事」を情報源とする人が多いことも示し「他地域では、ウエブサイトからの情報源が多く、紙メディアの影響は3%くらい。それが宮古島では20%と高い」と指摘。「テレビなどで紹介され、パンフを見て行って見ようかと思う人が多かったのではないか」と分析した。
観光消費額(189億円)は一人当たりの消費総額(4万5000円)を入域観光客数(41万人)で乗じて算出。波及効果の総額は約350億円、うち直接効果は約124億円だった。
山田氏は「宮古経済の2割ほどは観光産業が支えている」としながらも、その成果を経済振興へつなげていくという仕組みが弱いと指摘。まとめでは「事業者サービスとしての付加価値創造に取り組んでいくことが求められる」とした。