航空運賃の助成開始/宮古島市
難病、がん患者を支援
宮古島市(下地敏彦市長)は4月から、難病やがん患者らの市外通院治療に伴う航空運賃の一部助成を開始した。助成額は1回で往復1万円(片道5000円)を上限とし、年度で2回まで認める。今年度予算は、180万円を計上した。
航空運賃の一部助成交付制度は、難病患者などの経済的負担軽減を目的に実施する。
市健康増進課によると、30日までに助成申請書を提出した人は1人、10人に申請用紙を配布した。
宮古のがん患者の支援を行政に要請してきた「ゆうかぎの会」の真栄里隆代代表は「患者の支援が目に見える形で、始まったことは心強いし、ありがたい」と感謝した。
がん患者の支援に関しては県も昨年、条例を制定した。今後に向けては、新宮古病院の機能充実や付き添えで行く家族が泊まれるファミリーハウスの設置などを要望する。
がん患者にとって沖縄本島や本土への渡航は、多額の費用がかかるため経済やや精神面の負担を強いられているという。
助成は国、県が実施する特定疾患治療研究事業または小児慢性特定疾患治療研究事業で、受給者証の交付を受けている人-などを要件とする。市内で受給者証を受けている人は、約200人(2010年度現在)いる。
交付要件には▽がん患者で市以外の医療機関での通院治療が必要と主治医が認める人▽特定疾患の受給者証の交付を受けている人のうち、低年齢か介護が必要で、一人での通院が難しい人に付き添う同行者(患者の2親等以内の親族に限る)-も示している。