奨学金滞納、財政圧迫/7300万円が返還されず
経済的な理由で就学困難な学生に一定程度の奨学金を貸与する宮古島市の奨学資金制度で、大学や専門学校を卒業しても奨学金を返還せずに滞納している人が128人に上ることが市教育委員会のまとめで分かった。滞納額は7300万円に及び一人当たりの最高滞納額は230万円。市教委は専任指導員の配置や臨戸訪問の検討に入っており、悪質な場合は連帯保証人宅を訪問するなどして滞納整理を強化する方針だ。
市教委、整理強化へ
同制度は、経済的な理由で就学が困難な優秀な学生を支援し、地域社会に貢献できる有為な人材を育成することを狙いとし、合併前から各市町村で実施してきた。合併後は制度が統一化され、貸与額は県外の学生に月額3万円、県内の学生には月額2万円を無利息で貸与している。奨学金の返還は卒業の1年後から始まり、貸与月額の半額ずつを貸与金額に達するまで毎月返還しなければならない。
現在の滞納者は合併前の旧市町村時代に奨学資金制度を活用した人たちで、合併後の滞納者はいない(合併後の奨学金返還は2011年度にスタート)。
滞納額7300万円は今年6月1日現在で地区別に見ると▽平良19人、770万円▽城辺54人、2080万円▽下地32人、2800万円▽伊良部23人、1600万円-。旧市町村時代の貸与額が自治体によって異なる(2~5万円)ため、貸与額が多い地区の滞納が膨らんでいる格好だ。
滞納額は年々右肩上がりで推移。奨学金は市の一般財源から捻出するため滞納は直接財政を圧迫する。上地廣敏教育部長は「早急に滞納額を解消するための方策を取りたい」と強調。ただ「経済的な理由で返還が困難な場合は分割払いも検討したい」とし、返還の方法については柔軟に対応していく方針だ。
返還方法など奨学資金制度に関する問い合わせは、市教育委員会教育総務課(77・4942)まで。