国営かんがい排水事業 伊良部送水路に着手
仲原ダムの進ちょく率は25%/宮古伊良部農業水利事業所
今年度予算は29億4000万円
沖縄総合事務局宮古伊良部農業水利事業所(大梧光照所長)が進める国営かんがい排水事業の2013年度当初予算は、22億円となった。12年度補正の7億4000万円(繰入分)と合わせた予算額は29億4000万円で、前年度当初の28億円を1億4000万円(5%)上回った。今年度は、仲原地下ダムから伊良部向けに水を送る送水路敷設に着手する。
同水路は、仲原ダムと野原岳に造る宮古吐水槽(タンク)を結ぶ7・2㌔で、今年度は2・2㌔の工事を計画した。
伊良部地区への農業用水は、仲原ダムから送り、標高の高い宮古吐水槽を経由して、伊良部の牧山ファームポンド(FP)に自然流下させる設計だ。
宮古吐水槽にためた水は、伊良部大橋を通って、牧山FPに行く。この間の導水路敷設は16・1㌔の計画のうち、12年度までに66%の10・6㌔を終えた。今年度は2・8㌔を建設する。
仲原ダムの止水壁は、12年度までに582㍍完了し、計画延長2350㍍に対する進ちょく率は25%に達した。今年度は、346㍍の建設を予定している。
宮古伊良部地区国営かんがい排水事業は09年度に着工し、13年度末の総事業費(523億円)ベースの進ちょく率は、約20%に達する見通し。伊良部島への送水は17年度、事業完了は20年度を目指す。
同事業は、宮古島の畑で一年中使える水量の確保と、伊良部島での宮古島と同様な水利用農業の実現を目的とする。受益面積は9156㌶(宮古島7805㌶、伊良部1351㌶)。
同事業では仲原ダム(有効貯水量920万㌧)と保良ダム(同160万㌧)を新たに建設。既存の砂川(同680万㌧)と福里(同760万㌧)、皆福(同40万㌧)を合わせた総有効貯水量は2560万㌧となり、現在の1・7倍に増える。仲原ダムの水は東山FP、ミルク峰FP周辺の畑にも配水される。