台湾漁船拿捕など報告/日台漁業協定
水産庁が漁協関係者に/取締船、宮古に寄港
日台漁業取り決め発効(10日)後、台湾漁船3隻の拿捕にかかわった水産庁最大の取締船「東光丸」(2071㌧)の船内で27日、先島海域での警戒監視状況報告が行われた。宮古地区3漁協の役職員や漁業者、市・県の職員らが出席。巽重夫船長が、取り締まり現場の緊迫した様子をビデオで見せながら説明した。
日台漁業取り決めの合意水域は、尖閣諸島をすっぽり包む範囲で設定。今回の警戒監視は、操業ルールを定めずに取り決めが発効したことによる同水域でのトラブル発生防止や県内漁民の安全確保、合意水域外での操業取り締まりなどを目的に行った。
東光丸は10日に東京を出港し、5月14日には日台漁業取り決め後初めて、宮古島の南西海上(日本の排他的経済水域)で操業中の台湾漁船を違法操業の疑いで拿捕した。
東光丸は午後11時すぎに同漁船を発見。ビデオには①逃走中の被疑船に証拠保全のためカラーボールを投てき(午後11時16分)②被疑船は消灯し逃走中③中国語通訳による船長説得④台湾船に東光丸の乗組員移乗⑤台湾船長が東光丸に移乗(14日午前0時38分)-など逮捕までの経過を詳細に映し出した。
東光丸は20日と23日にも台湾漁船を拿捕し、27日平良港に寄りこの日の説明会となった。
取り決めは発効後、2週間たった。合意水域での操業ルールづくりは今後、日台漁業委員会で行うという。県漁連は、マグロはえ縄の交差に伴うトラブルや台湾漁船の漁場席巻に伴う沖縄漁船の操業場狭隘化-などを懸念する。ルール作りで県漁連と市は、操業の安全確保や台湾船隻数の制限などを求めている。
東光丸での説明会は、水産庁が主催した。同庁によると27日までに、合意海域における沖縄と台湾漁民間のトラブル発生は報告されていない。