ハブ生息調査きょう開始/宮古福祉保健所
捕獲器30台を設置/ハブ対策説明会
宮古島で生息していなかったサキシマハブが平良港第1埠頭近くの「ひらりん公園」内で発見、捕獲されたことを受け、宮古福祉保健所(仲宗根正所長)は28日、サキシマハブ対策説明会を開いた。警察や消防、市役所、保健所の職員らが出席。きょう29日から、ハブ捕獲器(ベイトトラップ)による生息調査を行うことを確認した。同公園と南側の仲宗根豊見親の墓、北側の緑地一帯に30台を設置する。
トラップは4カ月以上設置し、2~3週間に1回見回り、ハブが入っているかどうかを確認する。
あいさつで、仲宗根所長は「大事なのは、しっかりと生息調査をすること。結果次第で、必要な対策を検討する」と述べた。
同会の講師を務めた県衛生環境研究所の寺田考紀主任研究員は、捕獲されない場合は「おそらくいない」、1匹でも捕獲されたら、「まだ他にいる可能性が高い」との判断になるとの見方を示した。
宮古で発見されたサキシマハブは、八重山あるいは沖縄本島から来たのか、物資に紛れ込んだのか、人の手で持ち込まれたのか、まだ判明していない。どこから来たかは、将来DNA調査を行い、特定するという。
名護市ではタイワンハブ、糸満市ではサキシマハブが観光施設から逃げ出して、繁殖している。寺田さんは「外来ハブは、指数関数(一定期間を経過した時点で急上昇カーブを描く関数)的に増える。このため、早い段階で密度増加と分布拡大を阻止することが重要」と強調した。
名護と糸満では、かなりの数の外来ハブが繁殖し駆除に力を注ぐが、生息密度は低下していないという。
宮古島署は、ハブ捕獲棒を従来の1本から13本に増やし、各駐在所などに備えたことや、捕獲訓練を実施したことを報告。ハブ捕獲を担当する市や、保健所が休日の日は代わって対応するとした。
市役所は、ハブが見つかった場合は県内の他市町村と同様に、条例化して対策を強化したい考えを明らかにした。
ハブにかまれた時の治療に使う血清は、宮古病院に備えている。