県内ワースト汚名返上へ/福祉保健所など
大量のごみを撤去/不法投棄防止で一斉パト
ごみの不法投棄を防止するための一斉パトロールが30日、宮古空港西側の農道と平良の高野漁港北側の海岸で行われた。県宮古福祉保健所、宮古島市など関係団体の職員が参加し、不法投棄現場を確認しながら大量のごみを撤去した。参加者は不法投棄ごみの量にあ然。回収作業に精を出すとともに、「監視の目」の強化と不法投棄の撲滅に向けて決意を新たにした。
パトロールには宮古福祉保健所、宮古島市をはじめ多良間村、宮古島署、宮古島市消防本部、宮古島海上保安署のほか、産廃協会員ら約30人が参加した。
保健所前で行われた出発式で、同所の仲宗根正所長は「廃棄物の不法投棄は全国でも大きな問題」とした上で、宮古地区における不法投棄の多さを指摘。「市をはじめ廃棄物不法処理防止ネットワーク会議との協力のもと、監視体制の強化を図り、廃棄物の適正処理の推進および不法投棄の未然防止対策に全力で取り組んでいく」と述べた。
この後、参加者は空港西側に移動。人の目につきにくい農道脇の茂みに捨てられた大量の不法投棄ごみの撤去作業を行った。
撤去されたごみはさまざまで、テレビ、冷蔵庫、電子レンジ、クーラー、扇風機といった家電製品のほか自転車や鉄パイプ、空き缶に空き瓶、弁当パック、建築廃材などが散乱。比較的新しいごみも確認されており、日常的に捨てられている形跡があった。
参加者は、炎天下の中で汗だくになってごみを拾い集め、準備したトラックに次々と積み込んだ。最終的にごみの量は800㌔に上り宮古島市民のマナーの悪さが浮き彫りとなった。
この後は高野漁港に移動して漂着ごみを撤去し、砂浜の環境美化に努めた。
宮古島市で確認された不法投棄ごみは県内最多。2011年度の不法投棄件数は38件で、重量は8000㌧となっていた。
この現状を踏まえて市は対策を強化。一括交付金を活用して大がかりなごみの撤去に取り組み、これまでに約6000㌧のごみを撤去している。