「歴史語れる達人認定を」
下地教授が観光振興で提言/県博物館協会が宮古で研修会
県博物館協会(会長・安里進県立博物館・美術館長)の総会・春の研修会が5日、平良港ターミナルビルで開かれた。研修会のテーマは「博物館と観光」。宮古出身で4月から琉球大学観光科学科教授に就任した下地芳郎さんが「沖縄観光進化論~大空海時代における博物館への期待~」と題して講演した。下地さんは「博物館への期待として、歴史を今の視点で語れる100人の達人を認定しては」と提言した。
下地さんは「2015年は1975年に開催された沖縄国際海洋博覧会から40年、そして戦後70年となる。観光は平和のパスポートと言われ、平和でなければ観光はできない。再来年に向け、どのように取り組んでいくのかを考える必要がある」と提起した。
また「昭和10年代、大阪商船が沖縄観光ツアーを実施したのが、沖縄観光ツアーの始まり。当時は、沖縄をエキゾチックな異文化と紹介しており、今のような青い海などといった宣伝はなかった」と説明した。
その上で、大空海時代に向けてのキーワードとして▽人口減少時代への対応▽基礎インフラ整備▽滞在日数増加▽外国人観光客受入-などを挙げた。
宮古島市総合博物館の田名幸吉さんと同市教育委員会の新城宗史さんの2人が講師に招かれ「一括交付金を活用した観光事業-博物館改修事業とNEO歴史ロードの取り組みについて-」と題して報告した。
総会では、2012年度決算報告など6議案を全会一致で承認した。
同協会は、沖縄県内にある博物館等ならびにその関係者が相互に連絡提携することによって、博物館事業の振興を図り、もって地域文化の向上発展に寄与することが目的。