第一次産業振興に全力/多良間村長選
政策の実行を決意/一夜明け当選の伊良皆氏
【多良間】16日投票の多良間村長選挙で初当選した伊良皆光夫氏(58)は17日午前、一夜明けての心境と決意を語った。今後の村政運営について「多良間村の発展に向けては第一次産業の振興が中心になる。それに基づいて経済政策を進めなければならない。過疎化対策も重要だ」と話し、今選挙で掲げた政策の実行に強い意欲を示した。
11票差で前日の激戦を制した伊良皆氏は、終始安堵した表情で報道各社のインタビューに応じた。
開口一番「さわやかに朝を迎えることができた。この選挙戦は、精神的にも体力的にも厳しかったが、昨夜はぐっすり眠ることができた」と振り返った。
勝因について「『村政を変えよう』という村民の思いが大きな力となって私を後押しした」と述べた。
村の新しいかじ取り役として「第一次産業の振興に力を入れる」と話す。「国営土地改良事業で農業用水を確保する。水があればできることはたくさんある。施設園芸を取り入れて新しい作物も掘り起こせる」と島内における多用な農業の展開を思い描く。課題の輸送コストは「一括交付金の活用で実施されている補助事業はあるが、村としても補助ができないかどうかを探りたい」と強調した。
過疎化対策では子育て支援や福祉の向上、雇用の創出などで若者の定住を促進する考えを示し「幅広い改革を実行する」と述べた。
急速に進む高齢化への対応としては「島外の医療施設を利用する人から『島内で対応できないか』という声が多い。今後は、安心して医療を受けることができる施設と体制をつくっていくことが大切になる」と福祉の向上を誓った。
少数与党の議会については「対立の構図は好ましくない」と是々非々の議論に期待。「多良間村の発展という同じ目標に向かって進めば理解してもらえると確信している」と話した。
島を二分した村長選挙を振り返り「村民との融和を大切に一日も早くしこりを解消したい。私は、支持うんぬんにかかわらず分け隔てなく村政を運営する」と話し、公平かつ開かれた行政運営を約束した。
任期満了に伴う多良間村長選挙は16日投票、即日開票され、前副村長で新人の伊良皆氏が現職の下地昌明氏を11票差で破って初当選した。得票数は伊良皆氏446票、下地氏435票。
伊良皆氏には18日、当選証書が付与される。村長としての初登庁は来月8日。