累積赤字は25億円/宮古島マリンターミナル社
会社再生計画策定へ/社長に下地市長を再任
宮古島市などが出資する第3セクターの宮古島マリンターミナル社(社長・下地敏彦市長)は17日、第23期定時株主総会を平良港ターミナルビルで開き、2012年度の決算を報告した。累積赤字は17億円に膨らみ、債務超過も25億円を超え経営は実質的に破綻している状況。13年度は、民事再生手続きによる会社再建に向け計画づくりを検討していく方針を示した。総会後、取締役会を開き社長に下地市長を再任した。
単年度赤字は、2700万円となった。売上はテナントの賃貸料4099万円(前期比188万円増)や10月から有料化した駐車料金297万円などを合わせ5746万円。新たな収入源を作り、人件費やメンテナンス費用の削減など経費低減に努めたが、黒字には至らなかった。
下地市長は総会後、会社再建のめど付けは、伊良部大橋の完成(15年1月)が、タイムリミットになると見方を示した。大橋の開通後は、1階のターミナルが閉鎖されるため、同所をどう利活用するかが、再建の鍵を握るという。利活用については、近く検討会を立ち上げ、企画立案に取り組むとしている。
債務総額は、ホテル棟売却代金8億3000万円を返済に充てたものの、なお20億円と巨額が残る。下地市長は「今後、金融機関と(返済方法などについて)詰めの作業に入る」とした上で、同作業が不発に終われば「解散になる」と見解を述べた。
同社は、07年6月の取締役会でホテル棟売却や民事再生申立による債務圧縮を骨子とした事業再生方針を決定した。再生計画が認可されるためには、借入返済の原資や返済方法などの資金計画を策定し、事業の継続性について十分に検討する必要があるという。
総会では、ホテル棟の元運営会社で特別清算手続きを取った漲水リゾート開発に請求していた7億8000万円の債権について、債権者4者のうち3者が債権放棄に同意したため、マリン社も債権を放棄せざるを得なくなったことも報告した。