肉用牛飼養1万5249頭/12年12月末
前年に比べ620頭減/高齢農家の離農など要因
県宮古農林水産振興センター(前田幹男所長)は9日、宮古地区の2012年12月末現在の家畜・家禽飼養頭羽数を発表した。肉用牛の飼養頭数は、前年同期と比べ620頭(3・9%)減の1万5249頭。飼養戸数も1159戸と、同比28戸(2・3%)減少した。一方、子牛価格の高騰や子を産める経産牛が同比364頭(4・1%)増えたことは、増頭へ明るい材料になると見方を示した。
戸数の減少は、高齢農家の離農が主な要因と分析。頭数減の理由には①離農や高齢農家の規模縮小②高齢母牛の淘汰-などを挙げた。
宮古家畜保健衛生所の高吉克典所長は、宮古の肉用牛競り(400頭以上上場規模)を維持していく上では、規模拡大が必要になると指摘。増頭への具体策では、優良遺伝雌子牛保留事業(1頭に12万円以内交付)や市の保留奨励事業(1頭5万円以内補助)-の活用を呼び掛けた。
12年の生産率が75%と09年の85%と比べて、10ポイント低下したことも飼養頭数減に影響していると指摘。改善策には①受胎率の向上②分娩間隔の短縮③子牛の肺炎や下痢予防による死亡減少-などの改善策を示した。
宮古の飼養頭数は県全体の20・7%、戸数は40・4%を占めた。一方、1戸平均の飼養規模は、13・2頭と県平均25・6頭の約半分しかなく、零細さが際立つ。
市村別の飼養頭数は宮古島市が1万1611頭、多良間村が3638頭だった。宮古島市が648頭減ったのに対し、多良間村は、28頭増えた。戸数は宮古島市で30戸減り、多良間村は2戸増えた。
宮古の豚の飼養戸数は12戸で、前年と変わらない。頭数は、801頭と同比11頭減った。1971年以降現在までに、飼養戸数が最も多かった年は73年の1474戸。飼養頭数が79年の1万5073頭。同年以降、地元産は島外産肉との競合や、流通の形態変化(枝肉から部分肉流通)に伴い、減少が続いている。
ヤギの飼養戸数は169戸で、前年比14戸減少。頭数は、1248頭と同比126頭(9・1%)減った。宮古島市が533頭、ブランド化に取り組んでいる多良間村は715頭と地区全体の57%を占めた。
生産率 経産牛頭数に占める生産頭数の割合