コーラル社 来月上旬に支払い
農家への未払い金600万円/「休眠機械」売却、処分へ
アロエベラジュースなどを製造、販売する第3セクター、コーラル・ベジタブル(本社・下地川満、社長・下地敏彦市長)は10日、同社で臨時取締役会を開いた。生産農家(29戸)への未払い金や同社社員への給与未払い金を8月上旬にも支払うことを確認した。下地市長は「残りについても速やかに支払う。旧盆までには間に合わせたい」と話した。休眠状態の機械を売却、処分することなども確認した。同社専務には元琉球放送常務の真栄城忠之氏(68)=宮古島市下地=の名前が上がっている。29日の同社臨時総会で正式に決定される。
取締役会には取締役の下地市長、砂川佳一氏、米田隆己氏の3人が出席。非公開で行われ終了後、下地市長が内容を説明した。
取締役会では、市議会6月定例会で可決された同社支援補助金3000万円の使途について協議した。
それによると▽生産農家への未払い金1000万円のうちの6割(600万円)を支払う▽借入金860万円のうちの4割(約340万円)を支払う▽休眠機械は売却・処分する-。
下地市長は、「農家への未払い金の残り400万円は速やかに支払う」と述べた。
休眠状態のパパイア葉の抽出機は、使える可能性があるので売却する方針。
製缶製造ライン(購入時価格1500万円)は処分する。同機械は4年前に購入したが一度も使われなかったという。
未払い金や借入金を支払った残りの補助金については、農産物の仕入れや発送、販売、商品開発に充てる方針。
外部から起用する専務職に伴い、現在の常務職を解任する。
同社の支援補助金3000万円が一般財源から支出されることについて下地市長は「(コーラル・ベジタブルは)旧下地町が農業振興のために作った施設を宮古島市が引き継いでいる。しっかりと育てるのは合併した宮古島市の責任である」と話した。
同社は、宮古島市などが出資しているが、約1億2000万円の累積赤字を抱える厳しい経営状況が続いている。
現在の同社の構成は社員8人、パート4人、短期雇用者2人の計14人。