台風7号 キビ被害1億5600万円/宮古島
梢頭部折損など多く/収穫期マンゴーは870万円
宮古島市は13日、台風7号の接近に伴う農作物等の被害状況(速報)を発表した。全体の農作物被害は1億8600万円、このうち基幹作物のサトウキビで1億5600万円の被害が発生している。梢頭部の折損と葉の裂傷が多かった。懸念は塩害で、同日は除塩のためのスプリンクラーが各地でフル稼働した。収穫期にあるマンゴーでは少なくとも870万円の被害が発生している。一部で果実の落下等が見られた。
市によると、被害が大きかったサトウキビの植え付け体系ごとの被害率は株出し3・3%、春植え3・1%、夏植えは1・9%。被害額は面積が最も大きい夏植えが1億600万円、株出しは3600万円、春植えは1300万円だった。
今後は調査対象外である塩害が懸念材料に挙げられる。気象条件次第では生育が阻害され、全体の生産量に大きく影響してくるためだ。各地の農家は除塩に機敏に対応、13日はスプリンクラーをフル稼働させた。
市農林水産部の村吉順栄部長は除塩作業の重要性を指摘。「積極的にスプリンクラーを活用し、除塩してほしい」と呼び掛けた。
マンゴーの被害率は1%と発表。一部で落果は見られたが、すでに6~7割が出荷されていることや、防風強化された施設が被害を最小限に食い止めた。
ただ、袋がけされている果実が枝や葉にたたかれて発生する打撲や、果実と袋が擦れて起こる変色などは今回の被害率に含まれていないため、後に被害額が膨らむ可能性もある。
そのほか野菜類はスイカで410万円、オクラで330万円、ゴーヤーで280万円の被害があった。それぞれ強風で実が落下したり、葉が吹き飛ばされたりする被害だった。
13日に会見した下地敏彦市長は、収穫期のマンゴーの被害額が低かったことに安堵。「総じて言えるのは被害額が少なくて済んだということ」と話し、生産農家や関係団体の防風対策を要因の一つに挙げた。
台風7号は、12日の昼前から13日未明にかけて約12時間、宮古島地方を暴風域に巻き込んだ。
この台風の影響で農作物を中心に被害が発生。13日朝から関係機関が被害調査を実施し、市がまとめて速報値として発表した。