台風7号 キビの塩害広がる/海岸線
農家 散水に懸命/市、対策会議招集へ
台風7号による塩害が各地で広がっている。城辺七又や上野宮国の海岸線では広範囲にわたってサトウキビの葉が変色しており、生産農家や関係機関が懸念を強めている。宮古島市は近く干ばつ対策会議を開いて対応を協議。かん水作業を中心に生育の鈍化を防ぐ手立てを講じる方針だ。
塩害は14日から表面化しており、サトウキビの葉が茶色に変わって枯れたように見える。変色は各地で見られるが、特に城辺七又や上野宮国の海岸線近くの塩害が目立つ。
農家は台風通過後の13日からスプリンクラーをフル回転させているが、目に見える形で除塩の効果が表れていない。一部では「スプリンクラーを回しても、塩害がひどい地域では食い止められない」と除塩作業の限界を指摘する声もある。
台風による停電も被害に拍車を掛けた。復旧が遅れた地域ではスプリンクラーによる除塩が行えず、強風で吹き上げられた塩がサトウキビに付着した状態で数日間放置され、被害の拡大を招いている。
塩害はサトウキビの生育と直結するため、生産農家の心配は大きい。城辺地区の照屋秀雄さんは「除塩をしなければ大変な状況。生産組合の総会でもそういう意見が出ており、何らかの対策が必要」と話した。
市は近く干ばつ対策会議を開いて対応を協議。塩害の状況を確認しながら効果的な対策を講じる。
台風7号は、12日の昼前から13日未明にかけて約12時間、宮古島地方を暴風域に巻き込んだ。
この台風の影響で農作物を中心に被害が発生。市が発表した被害速報によるとサトウキビは梢頭部の折損や葉の裂傷があり、被害額は1億5600万円(塩害を除く)に及んでいる。