伊良部7号線工事/市当局 「契約に違法性ない」
監査委の判断に異議 開会中の宮古島市議会9月定例会は13日、総務財政委員会(真栄城徳彦委員長)を開き2009年度の決算認定の審議を行った。市道伊良部7号線工事(1工区)の契約が市の関連法令に抵触するとした監査委員会の意見書について、糸数健代表監査委員から参考意見を求めた。
糸数監査委員は「意見書通り抵触すると判断した」と述べたのに対し、当局側は「契約に違法性はない」と述べ、両者の意見は平行線をたどった。
監査意見書の「契約約款、規則などの関連法令に抵触するもので、適切な契約ではない」との審査結果に対し、同工事を担当した道路建設課の平良哲雄課長は「見解の相違、解除しないで続けたということで違法性はない」と主張した。
さらに、途中解約の手続きをとった場合に完成できたかという点も検討したとしている。
委員からは「契約に問題がないのなら違反はない。なぜ市は業者から金を受け取ったのか」などの質問が出た。
平良課長は「期限内に完了しなかったという点では債務不履行に当たるが、契約を解除していないので損害金の請求はしていない。業者が『市に損害を与えた』という考えから自主的に支払っている」と述べた。
また、監査委員が特定の契約に関する審査をしたことに対し真栄城委員長からは「決算監査は全体について行うもので、その中で特定の事業について監査をし、意見書を提出することは地方自治法上の特別監査に当たるのではないか」と指摘した。
糸数監査委員は「この契約については、決算の中の一部として審査した。地方公共団体の監査実務によれば、工事などの契約については抽出して契約書、その他の書類を審査し法的なものに触れていないかを検討するとあるので審査した」と説明した。
真栄城委員長はさらに別紙として提出された意見書の審査方法に触れ「記載されている方法は明らかに特別監査に該当する」と言及した。
糸数監査委員は「年度途中なら特別監査というのも分かるが、09年度の決算事項に入るので決算審査の中で行うと判断した」と述べた。
同委員会はきょう15日、これまでの審議を踏まえ09年度決算の認定、不認定を採決する。
市道伊良部7号線の下部工工事(1工区)は契約期限内に工事が完了しなかったことから市は未完了部分の工事費約1220万円を一般会計から一時流用した。 受注業者は未完了部分の工事費の約8割約970万円を「市に損害を与えた」として支払う確認書を提出し、すでに600万円が納付されているという。