キビ生産7万㌧実現へ/伊良部地区
1000人参加し増産生産者大会開く
「サトウキビの生産目標7万㌧を早期実現」「政府のTPP交渉参加は断固反対」-。初めての伊良部地区さとうきび増産生産者大会(主催・同さとうきび生産組合、伊良部さとうきび糖業振興会)が25日、市伊良部公民館で開かれた。生産農家や行政などの関係者ら約1000人が集まり、「サトウキビは島の宝」を合言葉に一致団結で取り組んでいくことを誓い合った。宮古製糖伊良部工場の渡久山和男工場長が「夏植集中型の作付け体系からの脱却を図り春植・株出面積の拡大により生産量の増産を図る」などを盛り込んだ大会宣言文を読み上げ、満場一致で採択した。
同工場の過去最高のキビ生産量は1989/90年期の約8万6000㌧だった。
主催者を代表して同組合の渡久山毅組合長は「本大会は二つの大きな目標をもって開催した。一つはサトウキビの生産目標7万㌧を早期に達成すること。キビがあるから生活ができる。キビがあるから高校、大学に進学することができた。この島はキビとは切っても切れないくらいキビに支えられてきている」とキビ経済の効果を強調した。
その上で「もう一つは、政府のTPP交渉参加は絶対反対である。この島でキビが作れなくなるとどうなるか。島で生活ができなくなるので若い労働者は仕事を求めて島を出て行き離島の過疎化に一層拍車が掛かり、島の経済は崩壊してしまう」と危機感を訴えた。
次いで「伊良部地区の耕作面積は限られていることから春植・株出栽培の面積拡大を推進し、農地の有効活用を強力に取り組む必要がある」などを内容とした大会決議、大会スローガンを採択した。
大会スローガンは▽土づくりや肥培管理を徹底し、単収10㌃当たり、1㌧の向上を図ろう▽適期春植、早期株出管理を実施するため、年内操業は毎年実現しよう▽さとうきび共済に加入し、安定したサトウキビ栽培により、農業経営の安定化図ろう-などの八つ。
生産農家南区代表の池間藤夫さんと同北区代表の下地利一さんが決意表明し、今後の取り組みに意欲を示した。
来賓の下地敏彦市長(代読)、宮古農林水産振興センターの前田幹男所長、農畜産業振興機構特産調整部の薄井久雄部長、宮古製糖の安村勇社長があいさつし、参加者らを激励した。