裁判の仕組みを学ぶ/那覇地裁平良支部
子どもたち 役割分担し審理
那覇地方裁判所平良支部(竹村昭彦支部長)で29日、「夏休み親子見学会~裁判のしくみを知ろう~」があり、小中生とその保護者計18人が参加。窃盗事件の模擬裁判が行われ、子どもたちが裁判官、検察官、弁護人の役割をそれぞれ分担し、中立・公平に審理を進めた。
模擬裁判の起訴状によると、男性(証人)は市内の店で働くベテラン社員。昨年12月、伝票を整理していた男性社員は、若い男(被告人)がおもちゃ陳列棚の裏側にしゃがんでいるのを見つけた。不審に思って近づくと、その若い男は陳列棚の中から引っ込めた手を上着のポケットに入れた。ガラス戸が少し開いたままの陳列棚を見た男性社員は、1万円のゲームソフトが1個無くなっているのに気づいた。
男性社員が、若い男に声を掛けると、その男は突然ゲームソフトを棚に戻して逃げ出そうとしたので、若い男の腕を捕まえて事務所に連れて行き、警察に通報。こうして警察の捜査が始まり、検察官から同支部に起訴状が提出され、事件が審理された。
子どもたちは役割に応じて審理し「被告人に懲役2年・執行猶予5年を求刑します」、「寛大な判決を」などと述べた。
裁判官は、判決の主文で「被告人は、真面目に生活してください」述べ、懲役2年・執行猶予5年の判決を言い渡した。
模擬裁判終了後、裁判官役の新里朋さん(平良中3年)は「いろんなことを審理したことが楽しかった」、検察官役の前里英菜さん(同)は「人を裁くことは怖怖い。いろいろ審理して、自分が正しいと思ったことや疑問点は述べた方がよい」とそれぞれ感想を話した。
弁護人役の前泊龍実君(同)は「判決の刑が人の人生を左右するから、判決に向けての審理は難しかった」と話した。