2億6103万円過大見積もり/国保税当初予算 今議会で修正へ
2010年度市国民健康保険事業特別会計の当初予算で、本来は約1億8525万円であるべき一般会計繰入金の財政安定化支援事業繰入金を4億4629万円と、2億6103万円も過大見積もりをしていたことがこのほど分かった。市当局は市議会9月定例会に予算を修正する補正予算を計上。担当課では、なぜ過大見積をしてしまったか、根拠を調べたが理由は分からないと話している。
積算の根拠分からず
財政安定化支援事業繰入金とは、経済的事情などから徴収できない保険料への補てん分に対する支援措置として、一般会計からの繰り出しが認められる予算。 09年度予算額は1億8525万8000円だったが、今年度は増額しなければならない理由がないにもかかわらず、増減率で140%もの増となる4億4629万1000円を予算要求。担当課、財政課、市議会委員会などでも異常な増加に気付かず、そのまま予算承認されていた。
6月ごろ間違いに気付いた国民健康保険課が、今議会に修正するための補正予算を計上した。同課では4億4600万円という数字が示された根拠について調べたが、その理由はつかむことができていないという。
10日に開かれた市議会文教社会委員会(垣花健志委員長)で、同課の下地昭雄課長は過大見積もりがあったことを陳謝。その原因について「見積明細を確認したが、積算根拠が示されておらず、何度調べてみても分からなかった。当時の補佐に不慣れな部分があり、課長がそれを見逃し、財政課のヒアリングでも気付かず通ってしまった」と事務的なミスであったことを説明した。
今回、提案されている補正予算では、財政安定化支援事業繰入金から2億6103万3000円を減額。そのうち2億601万6000円はその他一般会計繰入金とし、差額の5501万7000円を一般会計繰入金から減額補正するよう求めている。