まずは早期発見が大事/認知症公開講座
6人のパネラーが意見発表
認知症をテーマにした市民公開講座(主催・認知症家族会みやこなど)が24日、マティダ市民劇場で催され、専門家2人による講演の後、パネリスト6人によるパネルディスカッションが開かれた。介護、医療の分野で日常的に認知症と向き合うパネラーがそれぞれの立場から提言した。早期発見の重要性や発症後には周囲みんなで見守ることの大切さなどを訴えた。
パネリストは長濱隆さん(認知症家族会みやこ会長)、葉室篤さん(天久台病院精神科医局長)、長田乾さん(秋田県立脳血管研究センター神経内科学研究部長)、根間京子さん(宮古島市包括支援センター係長)、槙紀子さん(宮古地区介護支援専門員連絡会会長代理)、下地善一さん(宮古介護福祉の会会長代理)の6人。進行を竹井太さん(うむやすみゃあす・ん診療所理事長)が務めた。
ディスカッションで長濱さんは「家族の認知症について友人に話しても、なかなか理解してもらえないのが現状だ」として、まず認知症の知識を周知することの必要性を話した。
根間さんは「認知症の情報が最も集まる場所なので活用してほしい」と述べ、市包括センターの活用を促した。
槙さんは「ケアマネジャー自身も率先して認知症をもっと学ぶべき。市民にもそれを知らせていくことは重要だ」と述べた。
下地さんは、在宅介護の現場の様子を紹介した上で、「認知症だと思い、診察を受けたら脳梗塞だったという事例もある」と述べ、見守る側の観察の大切さについて話した。
講演も務めた長田さんは、「家族だと発症の遅れに気がつかない場合も多い。本人の能力低下にもっと注意を払う必要がある」として早期発見の大切さを訴えた。
同じく講演を行った葉室さんは「早期発見するためには、いかに情報を共有するかが大事だ。情報窓口を増やすことも必要だ」と述べた。
パネラーからは医師も含め医療従事者と一般の人が一緒になって認知症患者を支えていくことの大切さや出前講座などを開いて、市民の関心を高めていくことによって、早期発見と予防につなげていくことなどが提言された。