県営公園整備など要請/宮古、八重山市町村会
多良間-石垣間 運航再開も/課題解決へ11項目を県に
【那覇支社】宮古・八重山の5市町村で構成する「美ぎ島美しゃ市町村会」(会長・下地敏彦宮古島市長)は28日、先島圏域の周辺海域の取り締まり強化や宮古圏域での県営広域公園の早期整備など、同市町村会の共通課題などの解決に向けた11項目を県に要請した。
同市町村会は、台風時における農水産物の滞貨解消の特例的措置として、空港の運用時間延長や着陸料減免などの出荷支援体制も併せて要望。離島航路は本島・本土間を結ぶ重要な交通基盤であり、離島住民の利便性の向上と定住安定、産業振興で必要不可欠として、先島旅客航路の再開と維持確保も求めた。
宮古島市は、県内で唯一県営広域公園が整備されていないことを強調。下地敏彦市長は、スポーツキャンプのメッカづくりのため、高レベルのスポーツ施設と防災拠点施設の機能を兼ね備えた複合施設として同公園整備の早期実現を要請した。
伊良皆光夫多良間村長は、多良間-石垣間など現在運休や廃止の離島航空路線の早期再開を要望した。
要請は川上好久副知事が対応。尖閣諸島周辺海域での漁業者の安全操業の確保と巡視船などによる監視体制の強化については「日中や日台との今の状況が改善していくように、官邸も含めて要請し交渉を続けている」、県営公園については「宮古島の観光資本になる。具体的な中身は相談しながらやっていきたい」と述べ、前向きに取り組む姿勢を示した。
多良間-石垣間の再開に向けては「知事から県が航空会社を持つぐらいの研究をするようにとの指示があった」とした上で、「採算性の壁をどうクリアしてやっていくか、具体的な対策として実行していきたい」と答えた。
2012年度から一括交付金で実施されている「農林水産物流通条件不利性解消事業」で、県が輸送費の一部補助対象に50品目を設定しているのに対し、同市町村会は「地域の特色を生かした品目を加えるなど、対象品目の拡大を図ってほしい」と訴え。川上副知事は「対象品目は固定したものではなく、今後も優良で地域に効果のある作物は、どんどん適用して事業を展開したい」と話した。
そのほか要請したのは▽地方交付税算定での海域面積の編入(共通)▽ものづくり産業(製造業)の育成支援(宮古島市)▽離島医療の充実強化(多良間村など)▽国営土地改良事業の推進(石垣市)▽石油製品の価格差是正(竹富町)-など。
要請には座喜味一幸、奥平一夫の両県議が同席した。
同市町村会は、喜納昌春県議会議長にも同様の要請を行った。