巡視船みやこ お披露目/式典、祝賀会開催
領海の警備強化へ/山田船長「高速、高機能生かす」
今月7日に宮古島海上保安署(山中洋署長)へ新たに配属された巡視船「みやこ」(山田宏一船長)の披露式典と祝賀会が28日、平良港ターミナルビルで開かれた。国、県の機関や宮古島市の職員、関係者らが多数参加し、新巡視船の配置を祝った。山田船長は「高速性と高機能性を生かし、迅速、的確に対応していく」と抱負を示した。式典の前には船内見学会も行われた。
巡視船「みやこ」は2011年に建造された中型船で、同年4月から13年8月初旬まで第6管区海上保安本部呉海上保安部で「くろせ」の名称で所属後、尖閣諸島周辺海域を含む領海警備の強化を目的に今回、宮古島海上保安署へ配置され、それに合わせ名称も変更された。総トン数は358㌧、全長56㍍、幅8・5㍍、深さ4・4㍍。最高速力は35ノット(時速約64㌔)以上。乗組員は21人で、20㍉機関砲や遠隔放水銃、複合型ゴムボートなどを装備。同署所属の巡視船「のばる」、「やえづき」より大型で速力も上回る。
宮古島海上保安署主催の披露式典では、山中署長が「巡視船みやこに装備された機能を発揮し、さまざまな事案に即応していく。引き続き支援をお願いしたい」とあいさつ。第11管区海上保安本部の中島敏本部長は「船長以下、精鋭の乗組員が海上保安業務で持てる性能を最大限に活用し、沖縄の海の安全、安心に大きく貢献してくれると確信している」と述べた。来賓として参加した長濱政治副市長は「巡視船みやこの就航は圏域の海の安全を確保する意味で非常に心強い」などとする下地敏彦市長の祝辞を代読した。
山田船長は「尖閣諸島周辺海域の領海警備をはじめ、宮古島海上保安署の所属船として、先島諸島沿岸部周辺の事案対応も本船の大きな特徴である高速性と高機能性を十二分に生かし、迅速かつ的確に対応していく」と語った。山田船長にはミスティダの岩崎つかささんから花束が贈呈された。
披露式典終了後、海上保安協会沖縄宮古支部主催の披露祝賀会が開かれたほか、式典前には平良港第三埠頭C岸壁で、同巡視船の船内を参加者に公開する見学会も行われた。
同巡視船は同日夜、接近中の台風15号に対する警戒配備のため出港した。