米掃海艦が平良港寄港へ/今月21~24日 「友好親善」目的に
市長は自粛を要請
米海軍の掃海艦「ディフェンダー」が今月21日から24日まで、平良港に寄港する予定であることがこのほど、明らかになった。在沖米国総領事館では寄港の目的を「市民との友好親善」と説明しているが、詳細は明らかになっていない。下地敏彦市長は16日、会見を開き、宮古島海上保安署と外務省沖縄事務所に対し、寄港の自粛を求める文書を提出していることを説明。
「緊急時のやむを得ない場合を除いては、米国艦船の使用を自粛してもらいたい」と語った。
掃海艦「ディフェンダー」は佐世保基地所属で、全長74㍍、1312㌧。寄港時間は21日正午ごろから24日正午ごろまで、島へは48人が上陸を予定人数している。
米海軍掃海艦の平良港への寄港については、8月20日に宮古島海上保安署長から市に対し通知があり、同23日に正式に通知を受領。9月6日には同署長より入港する船舶の種類が変わるとの通知を受けた。通知に対する回答期限となっていた9月7日、市は同署長に対し寄港の自粛を求める旨の回答を提出。同15日には長濱政治副市長が、外務省沖縄事務所に樽井澄夫沖縄担当大使を訪ね、寄港の自粛を要請した。
会見で下地市長は平良港について「定期船、貨物船、小型船舶などの民間船舶のために整備した港」とした上で「民間船舶の円滑かつ安全な運航を確保する観点から、緊急時のやむを得ない場合を除いては、米国艦船の平良港使用を切に自粛してもらいたい」と訴えた。日米地位協定により、米軍から通知があれば使用を拒否できない現状について、問題があるとの認識も示した。
寄港の目的については「市民を招いての昼食会や海岸清掃したいとの考えがあるとは聞いているが、具体的なことは知らされていない」という。市長に対し掃海艦への招待と、表敬訪問をしたいとの申し出があったものの、いずれも断ったことを明らかにした。ただ、寄港日に行われることが予想される抗議活動には参加しない意向を示した。
米掃海艦が寄港する場合、平良港のどこを使用するかについては、現在調整中。市港湾課では「台風の動きなどを見ながら判断したい」と語った。寄港期間中は、港湾作業関係者らに影響が出ないよう何らかの規制を実施することも検討している。
米海軍は今月5日にも、宮古での演奏会を予定していた第7艦隊音楽隊と機材を米軍輸送機で移動させるため、宮古空港の使用を予定していたが、台風などを理由にキャンセル。演奏会は12月に延期となったことから、再び米軍機による宮古空港の使用が懸念されている。