建設地の造成工事終了/市伝統工芸館
きょう起工式、来年2月完成へ
市が沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)を活用して現在の宮古伝統工芸品研究センター(宮古織物事業協同組合)=平良西里=を上野字野原に移転する計画で建設を進めている「宮古島市伝統工芸館」の建設用地の造成工事が5日、完了した。きょう6日午後2時に起工式を行い、週明け9日から本格的な基礎工事に着手する。同伝統工芸館は宮古上布生産のほか、苧麻を原料にした和紙などの紙すきによる生産も行い、宮古の伝統工芸品を広く島内外に発信する拠点として活用する予定だ。完成は来年2月を予定している。
国の重要無形文化財である宮古上布の伝統保持と宮古の伝統工芸品の生産および販路拡大を目指して、同伝統工芸館の新築移転計画は決定した。今年8月7日に開会した市議会臨時会での承認を経て、市上野トロピカルパークに隣接した市有地原野に移転新築が決定。同日から同地での造成工事が始まった。
同事業協同組合理事長の長濱政治副市長によれば、建設予定地の原野は中央部が窪地になっていて不法投棄なども行われていたことから、造成工事に多少の時間が掛かったという。
同工芸館の総工費は約2億6900万円で、市持ち出し分は約5340万円。残りすべてを一括交付金で充当することになっている。施設の敷地面積は2700平方㍍、延べ床面積1007平方㍍。敷地内には苧麻畑、藍畑、糸芭蕉畑を設け、苧麻糸生産、苧麻績みから機織りまでを一貫して行える施設形成にする。
また、絣織室、藍染室、草木・染織室、検査室、織子養成室、多目的作業場、伝統工芸品展示室なども充実させるほか、苧麻を原料にした手すき和紙の生産体験コーナーなども設ける。
6日の起工式には長濱副市長をはじめ、伝統工芸品研究センター関係者、施工業者などの工事関係者が参加し、工事の安全を祈願する。