株出増産をアピール/サトウキビ
管理機使用方法を実演
宮古地区さとうきび技術員会(平良正彦会長)は10日、下地洲鎌の畑でサトウキビ株出管理機の実演会を開催した。株そろえなど同時に5種類の作業を行える高性能機。株出栽培が急増する中、同機を駆使した管理徹底によるキビ増産をアピールした。
今年3月には、補助事業で株出管理機30台(宮古島市23台、伊良部5台、多良間村2台)を導入した。同実演会は、同機を管理してから間もないオペレーターの技術向上も目的とした。
さとうきび技術員会の松原直樹副会長は、土壌害虫に有効な農薬やアオドウガネ誘殺灯の導入に伴い、株出が増え2013-23年期の収穫面積は全面積の30%に達すると、見通しを示した。その上で今後に向けては、(雑草が繁茂した畑の解消など)管理が重要な課題になっていると指摘。キビ増産は、株出管理機の有効活用次第との考えを示した。
実演会場は、行政が委託して栽培させた夏植用優良苗を刈り取った後の畑。従来の実演会は、収穫後の春に行ってきたが、夏場の苗採取後は初めて。
実演機のオペレーターは前里孝清さん(沖糖管内)と砂川元さん(宮糖管内)が務めた。
オペレーター歴5年と、ベテランの前里さんは作業前の点検方法を説明。宮国を中心に管理作業を行う砂川さんは、「作業は収穫後早めに行うことで収量が増える」と強調した。
2人は管理機を使い①株を同じ高さに切りそろえる株そろえ②畝の中央に深さ10㌢ほどの切り込みを入れる「株割り」②肥料や農薬、除草剤散布-などの作業を実演した。
株そろえをすると、株が地中から出てくるため根の張りが強くなり、台風の強風に耐えるという。
管理機を3月に導入し、まだ使ったことがないという30歳の男性は「いい勉強になった。農家の所得向上のために、来年の製糖期にはフル稼働したい」と語った。