アロエ値上げ買取へ/コーラル社
キロ70円から80円に/10月以降、原料の安定確保で
第3セクターのコーラル・ベジタブル社(社長・下地敏彦市長)は、アロエベラ原料代金の支払い遅延で失墜した信用を回復し、原料を安定的に確保するため10月以降は①キロ単価を70円から80円へ引き上げる②代金は月末締め翌々月末に支払う-などに取り組む方針を決定。13日の宮古島アロエベラ生産組合(砂川肇組合長)の臨時総会で農家にその旨を説明した。同社は、10日付で組織改革を行い、営業本部長に真栄城忠之専務が就き、陣頭指揮を取っていることも明らかにした。
同社は約1億2000万円の累積赤字を抱えて経営難に陥り、原料代金や給料支払いが滞っていた。経営再建に向けた内部努力では、24人いた職員を12人(社員8人、パート4人)に削減した。
2011年11月から今年3月までの未払い金のうち6割は先月、支払った。残り約500万円は、今年の12月と来年3月の2回に分けて支払うと時期を明確に示した。
質疑応答で、一人の農家は経営が苦しいのに80円に値上げするのは可能かと質問。これに対し真栄城専務は「農産物加工は、農家の所得向上に貢献するのが目的。軌道に乗ったら90円、100円と値上げしていきたい」と述べた。
「今後、代金支払いの遅延はないのか」の質問には、「2カ月以上も遅延するのであれば、会社の存在意義はない。それなりの覚悟を持っている」と強い姿勢を鮮明にした。
別の農家は「友達グループのような会社だった。緊張感のある会社にしてほしい」と要望。これには、行政に頼る体質から早く脱却しなければならないとの考えを強調した。
今後はアロエベラを中心に、パパイアやマンゴー、ゴーヤーにも加工を広げると基本戦略を提示。生産は1次加工を中心に行い、商品化まではしない方が、経営はうまくいくとの戦略も示した。アロエベラについては、地産地消の拡大に意欲を見せた。
下地市長は、琉球放送に勤めていた時に培った営業力を買って真栄城氏を専務を起用したと説明。就任から1カ月半しかたっていないが「目に見えて成果が出ている」と話した。