かん水タンク、久米島へ/宮古トラック組合
干ばつ支援で2基貸与
久米島で長引いている干ばつの対策に役立ててもらおうと、宮古地区トラック事業協同組合が10㌧かん水タンクの貸与を始めた。久米島にはない10㌧トラック用かん水タンク2基は13日に海路運搬され、16日から久米島のサトウキビ畑でフル稼働している。久米島製糖はトラック組合の対応に感謝。同組合の奥濱貞夫理事長は「苦しい時はお互いさまだ」と話している。
久米島製糖によると、同島の干ばつは過去に例を見ないほど深刻だ。
7月の雨量は0㍉、8月も雨はほとんど降っていない。9月2日に50㍉程度降ったが干ばつ解消には至らず、その後は再び雨が降らない状況が続いている。
この干ばつの影響でサトウキビを中心に被害が拡大している。年明けに収穫するサトウキビは著しく生育が阻害され、新植夏植えの圃場も干上がった状態で水が足りない状況だという。
久米島製糖の上江洲智一社長は「この業界で30年以上になるが、こんな干ばつは経験がない」と被害の拡大を懸念。対策として効率的なかん水が必要不可欠と判断し、13日に宮古島市まで足を運んでトラック組合に貸与を要請した。
この要望をトラック組合側が快諾。タンク、エンジン、ポンプ、散水銃というフル装備の10㌧かん水タンク2基の貸与を決めた。
かん水タンクを使った散水は16日に開始。今は新植夏植え圃場を中心に終日フル稼働しているという。
奥濱理事長は「宮古島も久米島もサトウキビが基幹作物であり、サトウキビで生活をしている。苦しい時はお互いさまだ」と継続的な支援を約束。久米島製糖の上江洲社長は「本当にありがたい。宮古で使われているタンクは素晴らしい」と感謝を込めて話した。
上江洲社長は「今のままだとタンクの追加貸与をお願いすることになる」としている。奥濱理事長は「要望を受けた上で対応していきたい」と話し、久米島側の要望に応じて複数のタンクを用意する考えを示した。