市商業地、下げ止まる傾向に/13年地価調査
20年連続で下落/最高基準値平良字西里
1平方㍍当たり8万5000円
【那覇支社】県企画部(謝花喜一郎部長)は19日、国土交通省が都道府県地価の状況を発表したのに伴い、2013年県地価調査の結果(7月1日時点)を発表した。宮古島市の地価は昨年に引き続き宅地、商業地ともに下がり、20年連続して下落した。商業地は前年の県内市町村下落率3位を脱したが、市内最高値の地価は前年をさらに1・2%下げ、市内商業基準地2地点の標準価格平均額は1平方㍍当たり6万8250円と前年より750円値を下げた。ただ、市商業地下落率は緩やかになっており、下げ止まる傾向にある。市内商業地の最高額は平良字西里根間246番のサーティーワンアイスクリーム(筑登之屋)で、1平方㍍当たり8万5000円。93年のピーク時1平方㍍当たり28万円を境に20年連続で下落している。
宮古島市の住宅地基準地最高額は平良字西仲宗根染地112番1で、1平方㍍当たり2万9900円で前年より1・0%下落した。住宅地11基準点はいずれも下落または横ばいのままだ。
また、多良間村では基準2地点の平均額で1平方㍍当たり6800円。平均変動率は前年を0・8%下回っており、宮古島市の宅地同様下落傾向にある。
県内の地価は全用途平均変動率で0・2%減と20年連続して下落しているが、商業地は上昇した地点もみられ、平均して前年と変わらず、21年連続の下落に歯止めが掛かったものとみられる。下落に歯止めが掛かった要因としては、昨年までの不況から県内景気が「拡大」に転じており、とりわけ新石垣空港開港、LCC(格安航空会社)就航などにより観光関連を中心に景況が好転したことや、消費関連でも好調が続いていることなどが考えられている。
これらを背景に県内地価は住宅地、商業地いずれも下落幅そのものが前年に比較して縮小する傾向にある。特に新空港が開港した石垣市の住宅地は今回調査で1・1%の上昇を見せ、変動率順位表では県下トップに躍り出た。
一方、宮古島市の場合、観光入域客数もほぼ前年並みで、大きく増加する要素が見られない。さらに宅地需要についても宮古全体の人口が減少傾向にあることから、県内11市部の中では名護市と同様、地価の上昇につながる気配がない。
今回調査の宮古地区を担当した県第1分科会幹事の大嶺克成氏(不動産鑑定士)によれば、「県全体の景気は明らかに拡大を示し、土地評価も那覇市などの都市部や新空港が開港した石垣市ではプラスの傾向が見られた」と述べ、「宮古はこれら県内他地域と比較した場合、土地評価を上昇させる要素に乏しく、とりわけ人口減少が下落要因につながっている」と説明した。
ただ、宮古の商業地下落幅は、昨年の3・4%下落から1・2%下落と緩やかになっており、「徐々に景気が回復し、下げ止まる傾向がみられる」と分析した。
県内地価の最高額は23年連続で那覇市松山1丁目1番4の那覇共同ビル。昨年から5・4%(3万円)上昇し1平方㍍当たり59万円に値上がった。