「来間中廃校」を可決/市議会9月定例会
与党と新風会2人賛成/賛成16人反対9人 来年度から下地中に統合
宮古島市議会9月定例会に上程されていた来間中学校を廃止するための条例改正案が25日、最終本会議で採決の結果、賛成16人、反対9人の賛成多数で原案通り可決した。今後は校区の変更など下地中学校区への統廃合に向けた手続きが行われることになる。同議案に賛成したのは与党系議員14人と21世紀新風会の池間豊氏と新里聡氏。議会傍聴席では同校統廃合に反対する多数の市民が審議を見守っていたが、議案可決に落胆や怒りの声が上がった。
市議会最終本会議では、来間中学校を下地中学校に統廃合するための学校設置条例の一部を改正する条例案の審査付託を受けた文教社会委員会の佐久本洋介委員長が、委員会審議の中で賛否が分かれ、採決を行った結果、賛否同数となったことから委員長裁決で原案可決と決したことなどを説明した。
議案に対する討論では、上里樹氏が「住民の合意を図ることを最優先にして十分な話し合いをすべき」、亀浜玲子氏は「まだ提案するには足りていない議案を拙速に出している。中身の議論をていねいにするべき」と反対を表明。それに対し下地明氏は「子どもたちは多くの子どもたちと切磋琢磨して学業などに頑張ることが望ましい」、砂川明寛氏は「子どもたちをどう育てていくかが教育行政。だから規模適正化は進めなければいけない。4人の中学校はどうかと思う」と賛成の立場で意見を述べた。
賛否が分かれたことから挙手による採決を行った結果、与党系議員14人は全員賛成、野党系議員6人は全員反対。中立系の21世紀新風会は池間、新里両氏が賛成、前里光恵、下地智、山里雅彦の3氏が反対し、16人の賛成で同議案が可決した。
議会を傍聴していた宮古島市の学校統廃合を考える会共同代表の一人である国仲富美男氏は「議会が子どもの教育についてどれくらい考えているのか疑問。与党議員は議案が提案されたから賛成するというだけでは理解は得られない。自分たちの地域の学校を統廃合すると言われても賛成できるのか。次は宮原小学校もある。反対運動を続けていきたい」と語った。
下地敏彦市長は議会終了後、マスコミの取材に対し「学校規模適正化は市町村合併した時からの課題。なかなか手がつけられなかったが、手始めに来間中を整理する条例改正を多くの議員の賛成で議決できた。子どもたちの教育環境をより良くすることは当然の義務。多くの人とふれあい、多くの友達をつくって勉学やスポーツで伸び伸びと活動してほしい」との考えを示した。
賛成・反対の議員は次の通り
【賛成議員】下地明▽棚原芳樹▽高吉幸光▽仲間則人▽西里芳明▽嵩原弘▽砂川明寛▽真栄城徳彦▽上地博通▽佐久本洋介▽新城啓世▽嘉手納学▽垣花健志▽富永元順▽池間豊▽新里聡
【反対議員】下地博盛▽長崎富夫▽前川尚誼▽上里樹▽新城元吉▽亀浜玲子▽前里光恵▽山里雅彦▽下地智