マンゴー船舶・航空複合輸送/品質に顕著な差無い
県、積み残し解消で試験
県流通政策課は16日、航空輸送されている宮古産マンゴーの積み残し解消を目的に実施した「船舶・航空複合輸送試験」の結果を報告した。試験は冷蔵のマンゴーを平良港から那覇に船で送り、那覇から宮古に飛行機で送り返す方法で行い、その結果、飛行機のみの輸送と品質(熟度や果色など)に顕著な差が無いことが分かった。今後は船便活用に向け、地元の体制づくりが課題になるとしている。
宮古産マンゴーの生産量は年々増え2012年度には、09年度実績(350㌧)の約2倍の680㌧に達すると予測している。増加傾向の中、昨年7月上旬の出荷ピーク時には日量1~1・5㌧の積み残しが発生。今後に向け、積み残し解消が課題になっていた。
試験は、6月23~同28日に実施した。船の積み荷は果実が全体的に赤くなる「全果鮮紅色収穫果実(一般的な収穫時期の果実)」と、果皮に緑の部分の残る「部分鮮紅色収穫果実(一般的な収穫より2~3日早い果実)」―の2種類に分けた。
平良港から那覇向け船便は火、木、土の週3便。船と飛行機の複合輸送は、飛行機のみの輸送より、本土の消費地到着までに1~3日遅れると想定した。
試験では、飛行機より「1日遅れ」「2日遅れ」「3日遅れ」の3パターンについて、品質などを調査した。5・0を完熟とした場合の部分鮮紅色収穫の熟度は「2日遅れ」ケースでは4・2と、飛行機輸送の3・9とさほど変わらない水準。果皮色や、果汁の品質にも大きな差異は無かった。ただ、複合輸送では、炭素病の発生が確認された。
報告書は①船舶・航空複合輸送は、従来の航空輸送と同等の熟度で消費地に到達可能②「全果鮮紅色収穫果実」と「部分鮮紅色収穫果実」の追熟後の品質に顕著な差異は無い―などとまとめた。