展示農園、来月開園/東急グループ「まいぱり」
熱帯果樹園など設ける
東急グループの東急電鉄と宮古観光開発は18日、記者会見し、同グループが所有する与那覇前浜後背地の中央エリア25㌶にガイド付き遊覧カートで周遊する展示農園「まいぱり」を開園すると発表した。敷地内に熱帯果樹類の生産農園を設け、「見て」「触れて」「味わう」ことのできる施設として営業する。11月17日に開園する予定だ。
東急グループが所有する同エリアは1984年に宮古島東急リゾートが、88年にエメラルドコーストゴルフリンクスが開業して以降も開発が滞ったままだった。過去には同社所有地を旧下地町が買い戻すことなどを検討し働き掛けた経緯もある。同農園の開設によって、同グループが同地区内で所有する土地すべてが活用されることになる。11年4月に事業計画に着手し翌12年4月には宮古島観光開発営農部を創設。今年2月から開発工事を始めていた。
同施設は宮古島東急リゾートとエメラルドコーストゴルフリンクスのほぼ中間に位置し、約6㌶の敷地にパインやバナナ畑、熱帯原産の果樹、花木などを植栽したほか、宮古馬の牧場や熱帯果樹園などを配置した。園内にはビジターセンターを設け、収穫した果物類を使ったアイスクリームやジュース、農産物を販売する。また、生産物の一部は首都圏などの東急ストアーで販売する予定だ。
同ゴルフリンクスを営む宮古観光開発が経営し、年間6万人の集客を目指す。また、当初の生産物売上は3500万円ほどを見込んでおり、園内では宮古島に適した新たな熱帯果樹栽培の可能性なども模索していくという。
同施設運営に際し、正社員2人を含む契約、パートの社員計13人を地元から採用する予定だ。東急グループが農業に関係する娯楽施設を運営するのは今回が初めてで、東急電鉄グループ事業本部の森正明氏は「施設を建設した土地は元々優良農地であったことから、農園のコンセプトは農業と観光振興をめざす市の方針とも一致しており、エリア全体を活用することで事業の活性化を図っていくことを目的にしている」と説明した。また、運営にあたっては、近隣農家から生産物を買い取ることなども併せて検討していく考えだ。