宮古産は品質にばらつき/マンゴー栽培講習会
技術レベルの横並びを
ブランド産地形成で助言/JAの一山顧問
宮古島市農政課は30日、マンゴー栽培講習会を市役所上野庁舎で開いた。講師はJAおきなわ南部地区営農振興センターの一山幸博顧問と県宮古農林水産振興センター農業改良普及課の渡久山みきさん。一山さんは農家一人一人の栽培技術が高いレベルで横並びしないとブランド産地は形成できないと強調した。
講習会に先立ち福里匡農政課長が、今年のマンゴーまつりのコンテストで最優秀賞を受賞したグットクロップ宮古島(伊良部朋聡代表)に、受賞証明シール1万枚を贈呈した。
一山さんは「4~5年前には宮古のマンゴーは色付きが良く見た目だけでも宮古産と分かり、味にも定評があったが、1~2年前からはその評価にかげりが出てきた」と指摘。個人の技術レベルのばらつきが背景にあるのではと推測した上で、改善には島レベルでの技術向上が必要になると助言した。
「産地づくりは、人が変わらないとできない」とも強調。「農家が100人いればそれぞれ考えが違い、その上に畑が違うから(指導員は)難しい商売だ」と、農家を同じ目標に引っ張っていく困難さを述べた。
日本の中でマンゴー栽培は、南端にあって亜熱帯気候がより顕著な石垣と宮古が一番向いていると、立地の有利性に太鼓判を押す。
ボイラーをたいて「太陽の卵」の銘柄で売り込んでいる宮崎産が腰折れ状態になったのは、気候が向いていないからだと分析し、要因には生産を支えてきた燃料の高騰を挙げた。
一山さんは、マンゴーは「沖縄が本場だ」と改めて強調した。ただ、沖縄の各産地間でも技術にばらつきがあるとし、「良い物ばかりを出す産地が評価されることになる」と今後を見据えた。
渡久山さんは「11月のマンゴー栽培管理」について話し、「(落ち葉などの)残さが多いほど、炭そ病もよく発生する。伝染源となる残さを除去することが重要」とアドバイスした。