自衛隊 宮古島にミサイル陸揚げ
離島防衛訓練で初/上野分屯基地に搬入
宮古島市上野野原の自衛隊宮古分屯基地で対艦戦闘訓練を実施する陸上自衛隊の地対艦ミサイルが6日午前、平良港下崎埠頭に初めて陸揚げされた。同日午前には同基地に搬入された。防衛省によると訓練は早ければ7日昼から、18日まで行われる。港の出入口では市民団体などが「アジアの緊張を高める訓練をやめろ」と抗議した。
訓練は離島防衛能力向上のため、自衛隊が1日から行っている大規模演習の一環。中国海軍が沖縄近海を通過し、東シナ海から太平洋に進出するケースが増加しており、けん制する狙いがあるとみられているが、防衛省は「特定の国を想定しての訓練ではない」としている。
この日、宮古島に入ったのは第3地対艦ミサイル連隊(北海道上富良野町)などの約50人で、1日に民間フェリーで北海道の苫小牧港を出港。6日午前7時半ごろから発射機を含む車両22台を下崎埠頭に陸揚げした。防衛省によると搭載されているのは模擬弾で、実際には発射しない。
ミサイルの発射機などを積んだ車両は午前9時30分ごろには港を出発。平良荷川取の臨港道路-国道390号(通称・バイパス通り)-宮古空港-平良宮国線をそれぞれ通り、同10時すぎには上野野原の分屯基地に搬入された。
予定では同8時30分ごろに港を出発する予定だったが、市民団体などの抗議団が港出入口に座り込みしたため約1時間遅れた。
自衛隊がチャーターした民間フェリーの船体には、動物などのイラストが描かれており、抗議団からは「市民の目を惑わす偽装行為だ」との声が上がった。同フェリーは同日午前、平良港を出港した。
尖閣諸島から約150㌔離れた石垣島にも初めてミサイル部隊の通信機材を持ち込んで訓練する。
一連の演習には、陸海空自の各隊員約3万4000人が参加している。