「ミサイル配備やめろ」/平良港下崎埠頭
市民団体が猛抗議/警察が強制排除、現場騒然
「ミサイル配備やめろ」「戦争準備の訓練やめろ」-。宮古島に初めて陸自の地対艦ミサイルが陸揚げされた6日午前、平良港下崎埠頭には市民団体や労組のメンバーのシュプレヒコールが響いた。車両の前に座り込む市民。強制排除する警察官。「やめろ」「触るな」。怒声が飛び交い両者がもみ合う中、ミサイルの発射機などを積んだ車両が野原基地向け進んだ。
抗議集会は午前7時すぎから、訓練に反対する市民団体など約30人が集まって港の出入口前で行われた。
腕に「港湾管理者」の腕章を着けた市職員に「自衛隊は自由に入れるのに、われわれ市民は入れないのか」と詰め寄る人、無言で道路に座り込む市民、「軍事化NO」とのボードを掲げる市民など、さまざまな形での抗議行動が見られた。
自衛隊の陸揚げ作業は午前7時すぎから始まり、同30分ごろには22台の全車両が陸揚げされ、上野野原の自衛隊基地に向かう準備が整った。
「車両が動くぞ。声を上げろ」。基地に向かおうとする車両の前には市民ら数人が座り込み、しばらくにらみ合いが続いた。
その後、宮古島署は「トラブル防止のため」警察官約20人を動員して港の出入口をふさぎ座り込んでいた市民を強制排除し、車両を通過させた。
平和運動センター宮古島の砂川勝哉議長は「異様な光景だ。憤りを感じる。果たして中国が攻めてくるのか。沖縄の地であたかも戦争が起こることを前提とする行動に断固声を上げる」と話した。
沖縄平和運動センターの山城博治議長は「(ミサイルの陸揚げを)目の当たりにして衝撃であり、ショックだ。ついにここまできてしまったかという思いを強くしている」と語った。
宮古平和運動連絡協議会事務局長の清水早子さんは「悔しい。宮古にとって良くない意味での歴史的な日。これが止められなかった事で、今後ミサイルなど兵器や部隊の常駐化につながり、われわれの生活が脅かされることになる」と話した。その上で「市民に関心を持ってもらい、一緒に立ち上がって行動してもらいたい」と呼び掛けた。