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教育・文化
2013年11月22日(金)9:00

垣花さんに文化庁長官表彰/来月4日に表彰式

多年の宮古上布振興で/図案、手括りの技術保持と継承


文化庁長官表彰の受賞が決定した垣花さん(中央)は現在でも宮古上布の図案、手括りの後継者育成に尽力している=21日、平良西里の自宅兼工房

文化庁長官表彰の受賞が決定した垣花さん(中央)は現在でも宮古上布の図案、手括りの後継者育成に尽力している=21日、平良西里の自宅兼工房

 文化庁は20日、文化活動に優れた成果を上げたとして2013年度の文化庁長官表彰者30人と1団体を発表した。同賞には長年の芸術文化活動に寄与したとして女優の三田佳子さん(本名・高橋嘉子)らが選ばれた。県内からは宮古島市在住の垣花英好さんと久米島町在住の山城ハツさんの2人の受賞が決定した。垣花さんの受賞は国の重要無形文化財である宮古上布の図案、手括りの技術とその技術継承が高く評価され、多年にわたる宮古上布振興に尽くしたとして受賞が決定した。表彰式は来月4日に東京で行われる。

 全国でも30人のみの受賞という希少性の高い同賞受賞の知らせを受けた垣花さんは21日、本紙の取材に対して、「これまでこつこつと続けてきた活動が認められたことは大変栄誉なこと。多くの人に支えられ続けてきたことが受賞につながった。皆さんに感謝している」と受賞の喜びを述べた。

 垣花さんは宮古上布の図案と手括りの技術保持者として宮古上布保持団体に所属した1999年4月から国重要無形文化財技術保持者として国から認定されている。

 その技術習得は亡父恵勝さんより幼い頃から学んできたもの。絣括り見習いとして53年に本格的に技術習得に勤しんだが、経済的な事情で70年には宮古南静園に就職。同園で勤務している間も家内工房で図案、手括り、絣括りを毎日継続してきたという。

 94年に宮古南静園を定年退職して以降、96年には宮古伝統工芸品研究センターで再び宮古上布の図案、手括り、絣括りに本格的に取り組んだ。その間、市から伝承事業後継者育成功労や全国重要無形文化財保持団体協議会感謝状など多数の受賞歴がある。現在も後継者育成の指導を自宅で行っており、この日も伝承者養成講習生の2人が垣花さんの元で指導を受けていた。

 講習生の平良享子さんは「先生の受賞は私たちにとっても大変名誉なことだ」と、同講習生の山里充代さんは「先生を見習って技術習得に努めたい」とそれぞれに師の受賞を喜んでいた。

 垣花 英好(かきはな・えいこう) 1935(昭和10)年1月18日、平良西里生まれ。51年平良南中学校卒。53年高江洌宮古上布工房入社、67年垣花絣括工房勤務、70年厚生局宮古南静園に就職し94年の定年退職まで家内工房で技術を研く。96年市宮古工芸品研究センターで絣括りに従事。05年市政功労賞、08年市伝統伝承事業後継者育成感謝状、同年全国重要無形文化財保持団体協議会感謝状。妻静さんとの間に1男2女、孫3人。平良西里在住。


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