キビ製糖操業始まる/宮古本島
23万7000㌧見込む/沖糖、宮糖で安全祈願
宮古本島内製糖2工場(沖縄製糖宮古工場、宮古製糖城辺工場)の2013-14年期サトウキビ製糖操業が8日始まった。初日の糖度は沖糖は13・2度と、基準糖度帯(13・1~14・3度)に達するまずまずの滑り出し。宮糖は12・7度と届かなかった。トン当たり農家手取り額は沖糖が基準額の2万1554円を507円下回る2万1047円、宮糖が2万589円だった。両工場管内のサトウキビ生産は平年並みの23万7000㌧(沖糖13万㌧、宮糖10万7000㌧)を見込む。製糖終了は3月末ごろを予定している。
■沖糖宮古工場
工場構内はキビを搬入する大型トラックの頻繁な出入りで久々に活気づいた。
製糖開始式は午前9時すぎから行われ、大勢の関係者が操業の安全を祈願した。
席上、同社の砂川玄悠専務は「今期は干ばつや塩害、台風などの自然災害を農家と関係機関一体となって乗り越え13万㌧の生産量(見込み)を確保できた」と報告。今後に向けては①春植、株出面積の拡大②株出の反収向上③土づくり-に努め安定生産につなげると方針を述べた。
下地敏彦市長は、TPP問題は今年正念場を迎えると指摘。従来の価格制度を維持できると考えるのは「甘い」と認識を示した上で、「今年は新制度の創設に知恵を求められる1年になる」と先を見据えた。
真栄城徳彦市議会議長は、TPPの参加に反対の姿勢を表明した。
前田幹男県宮古農林水産振興センター所長は、「干ばつや台風の被害を少なく抑えることができたのは農家や関係者の努力のたまもの」と、評価した。
砂川専務らが威勢良く鏡開きを行い、製糖操業のスタートを祝った。
同工場のまとめによると初日の原料(キビ)は、1176㌧搬入された。
糖度区分別の内訳は13・0度以下が44・0%、13・1~14・3度(基準糖度帯)が45・6%、14・4度以上が10・3%。糖度の最高は15・4度、最低は10・3度だった。
同工場管内の作型別栽培面積は夏植1076㌶、春植152㌶、株出711㌶で合計1939㌶。株出の割合が増え生産見込みを押し上げた。
■宮糖城辺
宮古製糖城辺工場の製糖開始式は、午前11時から行われた。
最初に安村勇社長らがキビ束を圧搾ラインに投入し、製糖開始を告げた。
安村社長は「農家が丹精込めて育てたキビの糖分を最大限回収し、農家の努力に応えたい」と決意を述べた。
前田所長や長濱政治副市長らがあいさつを述べ、操業の安全を願った。
同工場のまとめによると、初日は1007㌧搬入された。
糖度区分別の構成比は13・0度以下が65・2%、13・1~14・3度(基準糖度帯)が31・0%、14・4度以上が3・8%。糖度の最高は15・2度、最低は10・1度だった。
作型別栽培面積は夏植928㌶、春植95㌶、株出746㌶で合計1769㌶。株出の割合は42%を占めた。