消費電力100%自活/来間島
再生可能エネ実証開始/関係者集い成功祈念
県の事業の一環として行われている宮古島市来間島再生可能エネルギー100%自活実証事業の開始式が9日、下地来間の蓄電池設備で行われた。下地敏彦市長や地元自治会長、事業関係者らが出席。テープカットを行い運用開始を祝うとともに、事業の成功を祈念した。
同実証事業は、災害時のエネルギー確保や二酸化炭素排出削減などを目的に、太陽光発電と地域蓄電池で再生可能エネルギーを地域で最大限効率的に利用するモデルを構築し、既存の風力発電と合わせ、来間島での消費電力を100%再生可能エネルギーで賄うための「離島モデル」の確立を目指すもの。実証期間は15年3月31日まで。
実証事業開始に向け、島内に設置された太陽光パネル計31カ所での発電容量約380㌔㍗について、発電と消費の状況を把握し、蓄電池に対する充電や放電の司令をコントロールすることで、電気を安定供給するシステムの構築を11年度から進めてきた。
開始式の冒頭、下地市長、市議会の真栄城徳彦議長、来間部落会の来間得良会長、県商工労働部産業政策課の金良実課長、沖縄電力離島カンパニー宮古支店の比嘉正市支店長、三井物産環境・新エネルギー事業部第三営業室の谷垣匡輝次長、東芝コミュニティ・ソリューション事業部営業第二部の荒岡義和部長の7人が紅白のテープにはさみを入れ、運用スタートを祝した。
下地市長は「この事業は宮古島だけの事業ではない。成功すれば県内各離島でも応用でき、いろいろな国の島しょ地域にも輸出ができる。結果、二酸化炭素の削減に大きく貢献する。事業ができる記念すべきこの日を喜びたい」と語った。
真栄城議長は「実証事業の成果は市の将来に大きく影響を与えると思う」、比嘉支店長は「実証の成果が今後、再生可能エネルギーの利用モデルの礎となり、二酸化炭素削減などに資することを期待している」、金良課長は「環境モデル都市として認定されている宮古島で実施されることは意義深い。地域の産業振興にもつながるものと期待している」とそれぞれ述べた。