教職員対象にSST講話/星槎大の岩澤さん
子取り巻く環境変化など指摘
社会生活技能訓練(SST)講話(主催・市障がい福祉課)が16日、南小学校で行われた。講師で星槎大学通信制課程共生科学部の岩澤一美専任講師が、現在の子どもを取り巻く環境や社会生活技能訓練の実践方法などについて講話した。市内の幼小中学校の教職員らが耳を傾けた。
社会生活技能は一般的には社会生活をする上で、対人関係や共生のために必要な能力といわれている。
岩澤さんは「子どもを取り巻く環境が変わり、空間、時間、仲間の三つの『間』が減り、子どもたちが年齢に応じた社会生活技能を身に付けられる環境がなくなってきている」と指摘し「結果として人間関係がギスギスしている」と話した。
さらに「言いたいことは言えるが、言われたことがきちんと受け止められず、攻撃することで身を守るようになるなど、社会生活技能が欠けている」と述べた。
加えて「SSTを取り入れた授業はその技能を身に付けさせるための『きっかけ』で、子どもたちは理解するが身に付いたわけではない。身に付けさせるためには大人が継続してきちんとした手本を見せることなどで、子ども自身が自らの行動の善し悪しに気づくことが必要」と強調した。
同講話は2013年度地域自殺対策強化支援事業の一環として実施された。SSTを学校現場に取り入れている背景には、子どものころからSSTを取り入れることで、子どもたちが社会生活技能を習得し、不適応の発症予防にもなり、長期的な視点では精神保健や自殺予防対策にもつながると期待されている。