地域の健康づくりで提言/専門家招き食育講演
医学・教育・保健の領域から講話/学校保健会主催
宮古地区学校給食研究協議会・学校保健会(屋嘉比邦昭会長)主催の2013年度食育講演会が28日、宮古教育会館で開かれた。県や市町村が健康長寿立県の再生を目指して取り組んでいる「ゆいプロジェクト」「健康づくり支援プロジェクト」で指導的な役割を担っている3氏が地域の健康づくりに役立つ「食育」について講演した。
講演したのは琉球大学大学院の等々力英美准教授(公衆衛生学)、同大教育学部の金城昇教授(教育心理学)、同大保健管理センターの崎間敦准教授(医学)。
講演では「健康づくり支援プロジェクト」研究員の我如古愛さん、山口知美さんがワークショップの進め方をレクチャーするなどして、学校現場で役立つ手法などを分かり易く紹介した。
長寿復活に向けたソーシャルキャピタル(社会関連資本)について講話した等々力氏は、地域力と子供を介した親世代への働き掛けが食生活そのものを良好に導くことを指摘。その土台となるのは学校給食であるとして、「家庭内で食事の話しをすることで、親の食事に対する考え方が変化する」と述べ、食生活改善のためには、給食を通して先に子供に意識付けを行い、親世代の意識改革につなげていく方法論を解説した。
金城氏は教育心理の観点から朝食と学力の関係をひもとき、「朝ごはんは単なる朝食ではなく、家族一緒になって食べることの保護者の努力の象徴である」として、食行動を変えるためには「褒める」「できる」というポジティブな考え方で、ライフスキルを良好に転換させる手法を説明。子供の思考過程を介することで、家庭内の食育が促進されることなどを話した。
金城氏は県が推進する「ゆい健康プロジェクト」の目的である地域と子供を介した親世代へのヘルスプロモーションについて説明した。地域にある伝統的料理の継承と、学校での給食、食育によって育まれる子供たちの意識が、家庭内での食育として根差し、ひいては県民全体の健康づくりにつながっていくことを説明した。
講演会には保育士、幼小中、養護の教諭、学校給食関係者ら約40人が出席した。