生乳、4カ月ぶり再開/学校給食用牛乳
島内搾乳量が安定
宮古島市立小中学校の学校給食用牛乳で、生乳の提供が4カ月ぶりに再開されている。3学期がスタートした1月7日から提供されており、県内では唯一「加工乳」だった状態が解消された。島内にある乳牛牧場が新たに約40頭の乳牛を導入し、搾乳量が安定したことが再開の要因だ。
市の学校給食用牛乳は2001年から生乳100%を提供してきたが、今年は暑さの影響で夏場の搾乳量が減少し、十分な生乳が確保できなかった。
このため9月から加工乳に変更。2学期の間、児童生徒には主原料の生乳に脱脂粉乳やクリーム、バターなどの乳製品を加えた加工乳のみが提供された。
この間、平良学校給食共同調理場などには「なぜ加工乳なのか」といった問い合わせがあったが大きな混乱はなかった。ただ、一部父母らの間では生乳の再開を求める声もあった。
今回、生乳の提供が再開されたのは搾乳量が安定したため。市の教育委員会や農林水産部によると、島内の飼育業者が約40頭の乳牛を導入し、必要な生乳の確保が容易になった。
搾乳量が一気に落ちる夏場も、乳牛増頭に伴う搾乳量の増加で安定的な生乳の供給が可能だという。
4カ月ぶりに生乳を味わう子供たちの反応はさまざま。「生乳の方が飲みやすくておいしい」とする声がある一方で、加工乳の味を好む児童もいた。
教育委員会教育部は「生乳の提供が再開されてひとまずほっとしている。教育委員会としては、他の市町村と同じように、今後も子供たちに生乳を提供していきたい」としている。