キビ糖度は西高東低/宮古本島操業1カ月
沖糖13・6度、宮糖12・9度/塩害や干ばつの影響差か
サトウキビを原料に砂糖を製造している宮古本島内製糖2工場(沖縄製糖宮古工場、宮古製糖城辺工場)は1月8日の操業開始から、1カ月経過した。7日現在の平均糖度は沖糖が基準糖度帯(13・1~14・3度)を上回る13・6度。宮糖が12・9度。原料区を島の東西に分ける両工場の糖度は西側の沖糖が東の宮糖と比べて0・7度高い。
宮糖は低糖度の要因について「7、8、9月の台風襲来で葉の裂傷や塩害などの被害があり、回復に時間を要した。その後、年末から年明けにかけて日照不足となり、製糖開始した当初から糖度は13度台に達せず横ばいで推移してきた」と説明した。
台風は7月12日に7号が襲来し塩害をもたらした。東寄りの風で塩害は特に、城辺の東海岸一帯で目立った。城辺には7号以降、12号の襲来(9月下旬)まで47日間干ばつが続き被害を拡大した。平良の7号以降の少雨は29日間と城辺と比べて短く、このことも両地域の生育の差の要因になったとみられている。今期の反収見込みは沖糖が6・7㌧、宮糖が5・7㌧と収量でも沖糖が多い。
両工場の過去5年間の平均糖度(沖糖、宮糖の順)は08年産(16・69度、16・04度)▽09年産(15・50度、15・00度)▽10年産(14・66度、14・04度)▽11年産(14・36度、13・45度)▽12年産(14・95度、14・23度)-といずれの年も宮糖が下回った。差は0・5度以上と大きく、原因解明と対策が望まれている。
サトウキビの栽培に詳しい関係者の一人は「生育は地力や農家の栽培方法によるところが大きい」と指摘。その上で「キビの勢いを保ち品質収量を上げるために最終培土は立春ごろが望ましい。12月に行うと肥料切れを起こす。肥料はゆっくり効く緩効性がいい」と助言した。
沖糖には7日までに5万4857㌧搬入された。糖度区分別の原料構成比は13・0度以下が25・7%、13・1~14・3度(基準糖度帯)が51・4%、14・4度以上が22・8%で74%が基準以上だった。トン当たり農家手取額は基準額の2万1554円を38円下回る2万1515円。
宮糖の搬入量は4万3331㌧。13・0度以下が53・5%。13・1~14・3度が40・7%、14・4度以上が6・37%となった。トン当たり農家手取り額は2万856円。
品種別の原料搬入構成比は両工場ともに農林27号が最も高く沖糖が56%、宮糖が57%。主力品種の構成比が平均糖度に影響を及ぼすとされるが、両工場にほとんど差はない。