意見書と抗議決議採択/中国漁船領海侵犯
宮古島市議会
今月7日、尖閣諸島沖の日本領海内で違法操業していた中国漁船が、第11管区海上保安本部の巡視船に衝突した事件を受け、宮古島市議会の議会運営委員会(新城啓世委員長)は22日、市議会に同問題に関する意見書案と抗議決議案を提案。審議の結果、いずれも原案通り採択された。
同委員会では、米海軍掃海艦の平良港寄港に反対する決議案の提案も検討したが、賛否が分かれたため議会への提案は見送られた。
今回、提案されたのは、尖閣諸島海域における中国漁船領海侵犯に関する意見書と抗議決議案。意見書では、内閣総理大臣や関係大臣に対し
① 尖閣諸島がわが国固有の領土であるという毅然(きぜん)たる態度を堅持し、中国政府はじめ諸外国に示すこと
② 中国政府に対し厳重に抗議するとともに、再発防止策を求める
③ 第管区海上保安本部の監視・警備などの体制強化を図る
④ わが国の漁業者が同諸島海域において安心して操業できるよう適切な措置を取る
ことを要請している。
抗議決議は、中国の国家主席と駐日本国特命全権大使に対し、領海侵犯と公務執行妨害に対し抗議するとともに再発防止を強く求めている。
採決を前に、上里樹、亀浜玲子、下地博盛の3氏は「事実関係の究明を見極め、慎重に対応したい」などの理由から採択には加わることができないとして退場。その後、採決が行われ、意見書と抗議決議のいずれも全会一致で原案通り承認された。
議会運営委員会では、米海軍掃海艦の平良港寄港に反対する決議案についても議会提案を検討。「今後も寄港が強行されないためにも抗議すべき」と提案を支持する意見と、「入港前に自粛を求めるのは必要だが、来てしまった後に反対するというのはいかがなものか」、「抗議より、県や国に対し今後このような寄港が強行されないような要請をすべき」と反対する意見が挙がった。同委員会から議会提案する場合は原則、全会一致とするとの申し合わせがあることから、賛否が分かれた今回は、議会提案が見送られた。