野ネズミ被害深刻/池間島
キビを食い荒らす/採算合わず収穫放棄も
池間島でサトウキビの茎を食い荒らす野ネズミ被害が、今年も深刻化している。被害がひどく収穫を放棄した畑も見られる。今後野ネズミ撲滅に住民、行政一体となった強力な対策が求められそうだ。
池間島を担当する沖糖の原料員、仲間清一郎さんによると、今年のキビ収穫量は平年の1500㌧と比べて400㌧少ない1100㌧を見込む。干ばつ被害に加えて、野ネズミ被害も昨年より増えた。
代の女性が耕作するキビ畑(12㌃)では、半分以上のキビが被害に遭った。食いちぎられて黒くなった茎は、無残な姿。この女性は被害茎では採算が合わないため収穫はしないことにした。
昨年池間島の住民らはネズミ駆除剤散布(人海作戦)を8月に実施。10月は市農政課がヘリを使って散布した。
仲間さんは「ヘリ防除を1回、人手による散布は2回に増やしてほしい」と要望した。
市農政課は「ネズミ駆除剤は予備の在庫があるので、必要な人は受け取って被害の出ている畑にまいてほしい」と随時の利用を促す。
池間島に関しては、畑の周辺に積み込んでいる葉殻(ぱーがら)がネズミの巣になっていると指摘。同葉殻は収穫後の畑にすき込むよう呼び掛けた。
住民らによると池間島ではオカガニやヤシガニもキビを食害している。オカガニは根のところを食べる。食害痕でカニのものと分かるという。
池間島におけるネズミ被害はキビだけでなく、人体にも及んでいるとみられ、ネズミに寄生するツツガムシによる病気が過去に5件発生した。専門家らは「ネズミを駆除することが、発生予防では最も大切」と強調している。