副産物で産業興し/バイオエタノール
商品開発に残渣液
アミノ酸活用も促進/キビ戦略会議
宮古島の基幹作物サトウキビの利活用を検討している宮古島サトウキビ戦略会議(委員長・長濱政治副市長)の第2回会議が18日午前、市役所平良庁舎で開かれた。サトウキビから製造されるバイオエタノールの副産物を積極的に活用していく方向性を確認。蒸留残渣液を使った液肥の商品開発や残渣液に含まれるアミノ酸の活用を促進して新たな産業の創出を図る。来月24日に開く第3回会議で最終案を取りまとめる。
戦略会議は宮古島市をはじめりゅうせき、商工会議所、JAおきなわ宮古地区本部、製糖工場、日本アルコール産業、観光協会、青年会議所の代表で構成。バイオエタノールを使った新たな産業の確立を目指して昨年11月に発足した。
第2回会議ではサトウキビ産業の現状について認識を共有した。サトウキビが重要作物であることを踏まえ、バイオエタノール事業が環境モデル都市においては代表的な施策であり、その製造に係るコストに課題があることも確認した。
利活用の方向性については残渣液を地域の資源として「積極的に活用していくことが重要」とする統一見解をまとめた。具体的には▽バイオ燃料「E3」の利用促進▽残渣液を使った液肥の商品化に資する開発▽残渣液に含まれるアミノ酸等有用物の活用-に重点を置いた事業を展開。これらの戦略で収益を確保し、新たな産業の創出を目指す。
最終となる来月の第3回会議では、より具体的に方向性をまとめる方針だ。
第2回会議では、日本アルコール産業宮古島事業所の富重敏郎所長が自社の事業概要を説明。事業計画として▽効率的かつ低廉なバイオエタノールの製造と供給▽副産物の高付加価値化の研究を進め、商品の販売事業に伴う5年後の自立化-などを挙げ、宮古島のサトウキビを核とする産業の強化に意欲を示した。