送迎は下地診療所に委託/下地・来間中統合協
運転手雇用より利点大/生徒の「心のケア」も提案
宮古島市立下地中学校・来間中学校統合協議会(会長・川満弘志教育長)の第4回協議会が17日午後、市役所下地庁舎で開かれた。下地中学校へ統合される来間中学校の閉校式は今年3月末、下地中での統合式は4月初めに挙行される見通し。4月の新学期から下地中へ通学する来間中の生徒2人の登下校時の送迎車は下地診療所に業務委託することを決めた。
『宮古教育誌』によると、1948(昭和23)年4月1日、下地中来間分校として創立された。翌年4月1日、同校から分離独立し、来間中として再出発した。地域とともに教育の歴史を歩んだ。
その後、少子化により学校規模の小規模化が進む中、宮古でも小規模学級や複式学級が見られるようになった。こうした実情を踏まえ、市教委は「学校規模適正化に伴う学校統廃合計画」を打ち出し、これまで各地域で説明会を開いてきた。宮古では、下地中・来間中の統廃合が初めてのケースとなる。
この日の協議会では、市教委の事務局側は、来間-下地中間を往復するスクールバスでパート運転手2人を雇った場合の予算費案89万9000円を示した。次いで下地診療所から提出されていた業務委託文書が配布された。
この文書では▽想定される業務費用を年間69万9840円▽通学する生徒は診療所の施設(待合室、事務室など)を使用することもでき、送迎時刻までの待ち時間、勉学に励むことも可能▽運転手と個別に雇用契約を結ぶ必要がないため、事務手続が煩雑でない▽送迎の必要が無くなった時に、速やかに業務委託契約を解除することができる▽診療所の専属運転手が2人、事務職員も4人いるため、運転手の休暇などにも十分に対応できる-とメリットを挙げている。
参加した来間住民は「通学生徒が送迎車に乗ろうが、乗るまいが、市教育委員会は送迎車予算を確保してほしい」と要望した。別の参加者は「4月から下地中に通学する生徒2人には不安があると思うので、学校側で心のケアが必要」と提案した。