森林法違反で現状回復/新城海岸
市、トイレと駐車場撤去へ
新城海岸背後地の保安林内に県の許可なくトイレ・シャワー施設、駐車場を建設していたとして昨年12月2日に県が宮古島市に対し、森林法違反行為に抵触するとして厳重注意文書を送付していたことが7日までに明らかとなった。市は同保安林の原状回復のため、トイレ・シャワー施設と同駐車場の撤去作業を開始している。
市によると、保安林内にある同施設は旧城辺町時代の1994年に建設されたもので、施設総面積は688平方㍍に及ぶ。これまで、同施設が森林法に抵触していることは把握されておらず、県からの文書を受けて同事実が発覚した。市は同施設を撤去した上で元の保安林に戻す作業に取り掛かるという。
市は今年1月6日付で県に対し「復旧計画書」を提出し同計画の承認書を2月6日に受け取った。今年度末までに同施設の撤去作業を完了する予定だ。
撤去作業は既に請け負い業者に約81万円で発注しており、現場は撤去に際して発生する土砂流出防止の土のうなどを積み上げている。重機を使っての撤去工事は週明けにも行うとしている。
計画書によると、駐車場を含むすべての施設を撤去した後、近隣に「アラフ遺跡」があることから文化財保護法に基づき4~10月までの期間、発掘調査を実施する。同調査を終了した11月~来年3月までにテリハボク、タブノキ、セイロンマンリョウなど688本を植栽し原状回復する予定だ。
同問題について長濱政治副市長は「法令違反で施設が作られていたことを知り驚いた。市町村合併以前のこととは言え、把握していなかったのは行政の落ち度。市民や観光客の皆さんに迷惑をお掛けすることを大変申し訳なく思う」と述べ、代替施設の建設については見通しが立っていないことを説明した上で、「復旧計画書に基づき作業を進めるが、海岸を訪れる人たちのために可能な限り簡易トイレなどを設置するよう努めたい」と話した。