市職員再任用 新年度実施は困難/市議会総務財政委員会
再び継続審議に/加工施設の管理者指定は可決
宮古島市議会総務財政委員会(嵩原弘委員長)は10日、昨年の市議会12月定例会から継続審議となっていた市職員の再任用に関する条例案について採決の結果、再継続審議とすることを決めた。一方、定年退職者の再任用について定めた条項を削除する市職員の定年等に関する条例の一部改正条例案は可決した。市議会本会議で同委員会と同じ決定がなされた場合には、新年度から退職職員の再任用ができなくなり、無年金、無収入となる退職者が生じることになる。
市職員の再任用に関する条例は、公的年金の報酬比例部分の支給開始年齢が新年度から段階的に60歳から65歳に引き上げられることに伴い、無収入期間を生じさせないよう新年度から継続勤務を希望する定年退職職員を再任用とすることを政府が閣議決定したことを受け、提案された。65歳未満の定年を定めている民間事業主に対しても65歳までの雇用を確保するため、継続雇用制などの措置を導入することが義務づけられている。
市当局の調査では、今年度で定年退職する職員46人のうち、11人が再任用を希望している。
現行の市職員の定年等に関する条例では、定年退職者を再任用する場合は常時(フルタイム)勤務となっていることから、市当局は再任用条例案で短時間勤務に変更した上で、定年に関する条例の定年退職者の再任用について定めた条項を削除する考えだった。
同委員会では、再任用条例案の取り扱いについて高吉幸光氏が「合併した市町村であり、離島でもあるなど、いろいろな立場があり、(審議を)継続した方が良いのではないか」と再継続とすることを提案。採決の結果、全会一致で再継続とすることを決めた。
市職員の給与に関する条例、市現業職員の給与の種類及び基準に関する条例、市職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部を改正する条例案は採決の結果、賛成多数で再継続審議とすることを決めた。
県内11市で再任用に関する条例が制定できていないのは宮古島市と南城市のみ。
7日の委員会で採決が見送られていた市上野トロピカルフルーツパーク農産物加工施設指定管理者の指定については、事業実績などについての資料提供を受け、全会一致で原案可決された。